■「ヤリス48」にワクワクできるか?
それにしても、ヤリスのような普通のコンパクトカーは今、厳しい立場にあることがよくわかる。
この秋にはSUVタイプのヤリスクロスが登場するらしいが、そっちに乗りたい人のほうが多いのではないか。派生車ではなく、こちらが本命という時代になったのだ。
ただし、普通のヤリスハイブリッドで(オプション込み)約300万円なら、クロスは330万円くらいになってしまいそうだ。私なら、トヨタの販売店を素通りして中古ソアラを探しに行くだろう。
ヤリスを眺めていて、つくづく思ったのは「1台では場がもたないクルマだな」ということだった。
私がヤリスのCMを作るなら「できるだけたくさん走らせろ」と指示するだろう。1台だけではインパクトがなさすぎるのだ。
つまり、AKB48と同じということだ。ひとりではダメでも48人並べれば壮観という売り方。なぜそうなるのかを考えると「ヤリスは世界戦略車だから」という答えにいきつく。
ユーザーにとっては「世界戦略」なんてどうでもいいことだ。それより「300万も出しているんだから、俺の顧客満足度を考えろ」と言いたくなるだろう。
このあたりがトヨタ車の難しいところだ。トヨタのクルマ、特にヤリスのようなコンパクトカーは世界中で圧倒的な数を売らなければならない。ユーザー一人ひとりの顔を見ていられないのである。
だから「ヤリス48」にしないと場がもたないし、買ったら宣伝カーや痛車にしたくなってしまう。これでいいのだろうか?
■テリー伊藤 今回のつぶやき
オプション込み約300万円の価格に驚愕。実用燃費の高さは大いに魅力だが、本命はヤリスクロスのような気もする。
(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)
【画像ギャラリー】テリー伊藤、トヨタ ヤリス試乗の様子をギャラリーでチェック!(10枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方