■これが走りのバランス、ニューRX-7だ!!
シフトレバーを左上の1速にセットし、13B-REWが最大のダッシュカを発揮するだろう5000rpmプラスあたりで鼓動を刻むように右足の踏力を調節する”計測スタンバイ……OK”。
スタート地点の計測スタッフが親指を立てる。すでに今回ライバルとして同行させたNSX、300ZXツインターボの計測は、敬愛してやまない大先輩、片山義美によって完了している(個人的な話で恐縮だが、片山さんとこうした取材でご一緒するのは10年ぶりのことだ)。
NSXは0〜400m13秒05。速い。過去ベストを2/100秒上回っている。0~1000mは25秒05(過去ベスト24秒91)とわずかに伸び悩んだが、それでも文句なしのスピードである。続いて300ZX。
こちらはテスト車がどうもくたびれ気味だ。0~400m14秒57、0~1000m26秒65と平几な結果である。残念ながら、過去のデータ(13秒94、25秒28)を参考にするしかない。
いずれにしても、この2台がニューカマーであリチャレンジャーでもあるアンフィニRX-7が越えなければならない高いハードルであることは間違いないことだろう。
いつものように、タコメーターの針としばしにらめっこしながら、呼吸を整える。この場合、不要なホイールスピンは禁物だ。
あらかじめ引いてあるサイドブレーキを確かめ、左足でクラッチの切れ具合(ミートポイント)を探ってみる。″よしっ見えた。行こう″。クラッチミートはクリーンに決まった。
255ps/6500rpm、30・0kgm/5000rpmを発生する13B-REWは、ラフな操作を行なうと瞬時に225/50R16サイズのBSエクスペディアからトラクションを奪い取ってしまう。
その後数度チェックしてみた結果判明したところでは、ニューRX-7で許されるミート時のエンジン回転数は最大でも5500rpm。
しかもタイムを出そうとするなら、細心のクラッチワークがmustである。立ち上がったタイプRは、トルクフルだが、一段と洗練度をましたシャープでバランスのよい回転フィールでもつて先を急ぐ。
7600rpmあたりでオーバーレブを喚起するブザーがうるさい、と思ったのはすでに2速にシフトアップして100km/hを超えてからである。
2、3速にダブルコーンシンクロを採用し、ユーノスで定評を得たPPFを投入したシフトフィールは、かなりきている。直前で4速に入った400m地点でメーター読み160km/hを確認。
むろん加速の勢いが衰える気配など微塵もない。びしっとしたボディの剛性感が印象的だ、などとひたっている間もなく、1000m地点を5速で通過。すでに180km/hフルスケールの速度計は振り切っていた。
計測データはというと……、それぞれ13秒37、24秒59!なんとNSXとほとんど互角の結果を残したのである。続いて行なった最高速テストも期待を裏切ることはなかった。
東バンクの立ち上がり付近でスタートしてからほとんど半周したかどうかのポイントで7300rpmプラスの最高速状態に到達。もちろんギアは5速。
これですでに255・3km/hをマークしたのだが、ひとまず光電管計測をクリアしたあと念のためにと、さらにもう数周してみることにした。
すると、案の定じわじわと10回転刻みといった感覚で速度を上乗せし、2周目で5速7400rpmで256・2km/hのトップスピードを記録。
結局それ以上は伸びる気配をみせなかったが、それでも300ZXの256・8km/hとはほぼイーブン。NSXの266・0km/h(ともに過去ベスト)には及ばなかったが、25psのパワー差を考慮すればこれは快挙といえるデータである。
最高速時の安定性も申しぶんない。わずかにステアリングの中立付近が軽めで、座り感が甘い傾向もみられたが、それはリラックスを奪うほどナーバスなものではない。
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