うだるような暑さが続くこの季節、暑さとともに注意したいのが「ゲリラ豪雨」です。局地的に短時間で激しい雨が降るゲリラ豪雨は7月~9月に多く発生しており、民間気象情報企業である「ウェザーニューズ」によると、昨年2023年のゲリラ豪雨の発生回数は全国で計93590回にもなったそう。東京だけでも、1104回もあったとのことで、発生回数のピークは8月下旬と9月中旬、まさにこれからがゲリラ豪雨に注意が必要な時期といえます。
突発的に起こるゲリラ豪雨は、いつどこで発生するのか予想が難しく、運転中に突然豪雨に見舞われることも少なくないため、豪雨によるリスクを回避するには備えが必要。運転中にゲリラ豪雨に遭遇したときにやるべきことをいくつか考えてみましょう。
文:吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_Logmotion/写真:Adobe Stock、写真AC
とにかく停車を!! 「追突」を防ぐ対策も忘れずに
「ゲリラ豪雨」とは、局所的・短時間に降る大雨のことで、夏の強い日差しによって発達した積乱雲によってもたらされるもの。竜巻や突風、ひょうなども引き起こしやすいとされています。2024年7月に、埼玉県で飲食店の巨大看板が落下したり、ゴルフ練習場のネットを支えるポールが倒壊したのも、ゲリラ豪雨をもたらす積乱雲によって突風が発生したことが原因とされています。大雨による被害も深刻になりやすく、舗装された地面が多い都市部ではマンホールから水があふれ冠水や浸水が発生し、山地では水が一気に押し寄せる鉄砲水が発生するなど、大きな被害に繋がってしまうことも少なくありません。
そんなゲリラ豪雨に運転中に遭遇してしまったら、まずは安全な場所にクルマを止めましょう。バケツをひっくり返したような大雨では、どれだけ早くワイパーを作動させても安全に走行できる視界を確保することは難しいです。歩行者やほかのクルマも、普段とは違う動きをする可能性が高く、このような状況で走行を続けることは非常に危険。大雨によって路面に水が溜まってくると、タイヤが路面を掴むことができなくなるため、ドライバーがクルマをコントロールできなくなる「ハイドロプレーニング現象」に陥ってしまう可能性も高くなります。
豪雨の際はできるだけ早いタイミングで安全な場所を確保し、クルマを停止させて、雨が収まるのを待つのが一番。路肩に停車した場合は、大雨によって視界が悪くなっていることを考慮し、ハザードランプのほか、テールランプも点灯させ、そのうえで、より強い光を放つブレーキランプも(ブレーキペダルを踏み続けて)点灯させ、周囲に自車の存在を知らせましょう。
停車が難しい場合は、車速を落とし、河川の近くを通行することを避ける
停車することができない場合や、停車するほどでもない場合でも、速度を落とし、ライトを点灯させて、できるだけ車間距離をあけて走行することが必要です。速度はタイヤが路面を捉えていると感じることができる速度まで落としましょう。横断歩道やセンターラインなど、路面にペイントされている部分は滑りやすいため、特に注意して走行する必要があります。
また、道路が冠水している可能性もあるため、河川の近くや高架下、アンダーパスなどには近づかないようにしなければなりません。一般的に、水面がクルマの床面よりも高くなると走行が不可能になるといわれますが、走行することではねる水によって、走行不能になることも考えられますし、あまり水が溜まっていなさそうにみえても、実際にはかなり水深がある場合も少なくないです。土地勘がない道で突然目の前にアンダーパスが現れたとしても、豪雨の際は絶対にそのまま進入してはいけません。
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