当時の峠じゃ無敵!? スズキ[カプチーノ]がスゴく優秀説

■ロードスターより速い!? 谷田部編

すでに楽しさ満載のカプチーノ。気になる最高速を見てみよう
すでに楽しさ満載のカプチーノ。気になる最高速を見てみよう

 次のステージは谷田部。ここではカプチーノの動力性能をしっかりチェックしてみたい!注目のポイントは同じ64馬力を発生するビートと走りのライバルと目されるユーノスロードスターとの実力差だ。

 じゃ、まずはビートからテストしてみよう。こいつのスタートテクニックはちょいと難しい。なんたって回転が少し下がるとがっくリトルクが落ちるから、いかに高回転をキープしつつクラッチミートをするかが決め手になる。

 具体的には8000回転をキープし、ぜーったいに7000回転以下にならないようにクラッチミートするのがコツ。後は各ギアをレッドゾーンまで回し、アクセルを戻さずクラッチを切ってシフトアップ。

 すると、気温が低めなこともあってか17秒99をマークしてしまつた!こりゃ速い!ユーノスロードスターは今回持ってこなかったが、何度も計測していて、最速は16秒37だった。

 で、いよいよカプチーノである。このエンジンは8500回転からレッドゾーンになるものの、最高出力は6500回転でマーク。7000回転をすぎるとかえってパワーがドロップしてしまう。

 そこでクラッチミートは7500回転とし(クラッチミートするとちょうど6500回転くらいに落ちる)、シフトは計測1回目がレッドゾーンより手前の7500回転。2回目は8000回転で行なうことにした。

 じゃ、テストだ!1速にシフト。7500回転をキープしつつクラッチミート!するとビートとは比べものにならない勢いで加速を開始する。

 1速はすぐに7500回転に飛び込み、ビート同様アクセルを戻さず、2速にシフトアップ!

 このトライでタイムは16秒25をマーク。2回目のトライは予定どおり8000回転で行なうが、やっぱりパワーが頭打ちになるのがハッキリ体感でき、スタートがうまくいったのに16秒26と落ちてしまった。

 でもこの動力性能は完全に1500~1600ccクラスと同等。ロードスターよりも速いなんてこれはすごい。

 残念なことに速度リミッターがついたままなので、180km/hをオーバーするとウワサされていた最高速度は計測不可能だった。でも実力からすると、80km/hオーバーは充分可能だという手ごたえがあった。

こちらは当時、ビートとのオープン状態にするのに要する時間比較

■速さを証明!! 筑波サーキット編

こちらは当時、ビートとのオープン状態にするのに要する時間比較
こちらは当時、ビートとのオープン状態にするのに要する時間比較

 最後のステージは「曲がる・止まる・走るの」バランスがわかるサーキットテストだ。ここでどのくらいのタイムをだすかで、クルマの実力が判明するといってよろしい。ビートからコースイン。

 何回かビートでここを攻めたことはあるが、ベストは1分22秒43。遅い。しかし楽しいという点に関しては文句なし!

 高回転までガンガン回るエンジンとコキコキ決まるシフトは超スポーティ。ハンドリングもアンダーステアながらクィックな挙動で、やっばリミドシップの血を感じる。

 ビートの弱点は①コーナーにオーバースピードで入るとアンダーステアが出ること、②フロントブレーキがロックしやすいこと、③そして急にテールが流れることの3点。

 要はコーナーの入口でキチッとスピードコントロールすればいいのだ。

 今回も楽しみながらラップし、1分21秒30。谷田部のテスト同様、冬を迎え気温が下がってきたため、いいタイムが出たようだ(ノンターボエンジンは気温が高いと軽く5%はパワーダウンする)

 ドライバーのウォーミングアップも終わったところで、本命のカプチーノ。するとこいつはコースインした瞬間から速さを感じさせるではないか!ビー卜では時間がかかった直線部分も、ビッと速いのだ。

 フルブレーキもペダル踏力の加減がしやすく、ロックポイントがつかみやすいのが嬉しい。さらにワインディングロードでも感じていたことなのだが、コーナーでのコントロール性がいいうえ、スビードそのものも速いように感じる。

 意外だったのは最終コーナーでの車体姿勢。峠道のタイトコ一ナーではアンダーを強く感じたカプチーノだが、筑波の最終コーナーでは(軽自動車にとっては高速コーナーだ)完壁な4輪ドリフトの体勢になる。

 つまり、前後の車重配分を50対50にしたメリットがしっかり出ているのだ。これには感心してしまった。

 おそらくオプションのストラットタワーバーや、リアのLSDを入れれば1分16秒をきることができるだろうが、今回のタイムは1分16秒61であった。次回はぜひLSD入りでアタックしてみたい。

 以上、3つのステージでカプチーノをフルチェックしてみたが、実力はビートというよりユ―ノスロードスターに近い。

「ユーノスロ―ドスターが欲しいけれど、保険や税金の負担が大きい」と思っているユーザーにも充分すすめられる完成度とパフォーマンスを持っている。でもビートもすてがたい。

 あれだけわり切ったコンセプトで、今後こんなクルマは出てこないかもしれない。キミはどちらのクルマを選びますか……。

【画像ギャラリー】まるで小さな巨人!! カプチーノはスゴいんだぞ!!(8枚)画像ギャラリー


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