アタリもあれば空振りもあり、そこでの一期一会に胸が弾む。そう、これこそがレンタカーの楽しい点の一つなのである。今回は自動車評論家である、清水草一氏が各地でレンタカーを借りた経験を踏まえ、登録車最小の「Sクラス」を格付けしていき、レンタカーガチャの楽しみかたを指南していく!!
※本稿は2024年7月のものです
文:清水草一/写真:トヨタ、ホンダ、スズキ、マツダ、日産、三菱 ほか
初出:『ベストカー』2024年8月26日号
■レンタカーには天国と地獄がある
レンタカーガチャを回す旅は、駅前や空港前の大手レンタカー店に、登録車の最小クラス(Sクラス)の予約を入れるところから始まる。
カーシェアリングなら事前にクルマを選べるけれど、それじゃガチャにはならないし、格安レンタカー店だと、「古くて全部ハズレ」がほぼ確定してしまう。
その点大手レンタカー店は、天国(新車に近い良車)から、地獄(10万キロ走った平凡以下のクルマ)まで、タマが幅広い。「コレとアレが同じ値段!?」と思うからこそ、ガチャの回し甲斐があるってもんだ。
大手レンタカー店のSクラスのラインナップは、だいたい次に挙げる11モデル(現行/先代国産コンパクトカーのガソリン車)になる。フルハイブリッドは、通常1クラス上なので当たらない。また、トヨタレンタカーや日産レンタカーは自社のクルマだけ。避けるのがガチャの王道だ。
大アタリは現行モデルの良車たち。現行モデルなら自動的に新しめで、距離もそれほど行ってない。こういうのに当たった時は万歳三唱だ!
中アタリは先代モデルの、まあまあ以上なクルマたち。マツダ2は現行モデルだけど、登場から10年経っているので「ほぼ先代」。先代スイフトもこのグループに入る。
そして空振りは、カーマニア的に「これはないな」と思っているクルマたちだ。見た瞬間にガックリ来るが、だからこそ番狂わせの可能性もある。逆にワクワクするぜ!
【画像ギャラリー】何が出るかな何が出るかな……すべては運任せ!! レンタカーガチャのための登録車最小レンタカー格付け(22枚)画像ギャラリー■大手レンタカー店Sクラスラインナップ:大アタリ
●トヨタ ヤリス
レンタカーでヤリスに乗ると、TNGAのシャシー性能に改めて感動する。エンジンもイイ。後席やラゲッジは狭いけど、3人までならオールマイティ!
●ホンダ フィット
Sクラスで借りられるのはガソリン車のみだが、ソフトな乗り心地や癒し系のインテリアにホノボノ。最安クラスなのにゼイタクな気分が味わえる。
●スズキ スイフト
早くも現行モデルがレンタカーとして活躍し始めている。今ならほぼ新車状態。しかもスイフトのシャシーは、初代プリメーラを髣髴とさせるほどの絶品!
【画像ギャラリー】何が出るかな何が出るかな……すべては運任せ!! レンタカーガチャのための登録車最小レンタカー格付け(22枚)画像ギャラリー■大手レンタカー店Sクラスラインナップ:中アタリ
●トヨタ ヴィッツ
3代目ヴィッツは、登場当時はコストダウンの権化だったが、2017年のビッグマイナーチェンジでボディやサスが大幅にカイゼンされ、意外と悪くない走りをする。
●マツダ MAZDA2
デミオとして登場してから約10年。今乗ると古さを感じるが、コンパクトカーのなかではいまだにそこそこステキな存在だ。質実剛健な走りにカーマニアも納得。
●日産 ノート(先代型)
デザインや内装はイマイチだが、乗り心地や走りは悪くない。後席やラゲッジにもゆとりがある。現行モデルはe-POWER専用なので1クラス上に。無念……
【画像ギャラリー】何が出るかな何が出るかな……すべては運任せ!! レンタカーガチャのための登録車最小レンタカー格付け(22枚)画像ギャラリー
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