【ミニバン王座が大変身】新型セレナ「派手顔」で盤石? それとも…?

【ミニバン王座が大変身】新型セレナ「派手顔」で盤石? それとも…?

 国内市場に売れるクルマが少なく、ディーラーから悲鳴が上がっている日産。数少ない奮闘しているモデルのなかで注目なのが、8月にビッグマイナーチェンジを行ったセレナだ。

 2018年のミニバン販売台数NO.1達成に加え、2019年上半期もミニバン販売台数NO.1(5万3662台)も達成。そして、2019年8月度も、シエンタに続き、登録車第2位(7714台)を達成するなど、好調を維持している。

 販売台数は堅調だが、今回のビッグマイナーチェンジは、実際の現場とお客さんにはどのように受け止められているのだろうか? その本当のところを、遠藤徹氏が聞き出した。

文/遠藤徹
写真/編集部

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■堅調な売れ行きのポイントは「e-POWER」と「プロパイロット」

 日産の主力ミニバンである「セレナ」が8月1日にビッグマイナーチェンジし、販売で更なる飛躍を目指している。

 1~8月の登録累計は7万167台、月平均8771台、前年同期比1.7%減とマイナスだが、8月単月だと7714台、21.3%の大幅増と人気の復活を印象付けている。登録車の通称名別ランキングでは堂々の3位浮上であり、同クラスミニバンではトヨタ・ヴォクシーを上回り再びトップを確保した。

 現場の販売店も「かなり好調に売れている。ハイウェイスターのフロントマスクが見栄えのいい大型グリルデザインになり、自動運転支援システムのプロパイロットやe-POWERも改良するなどで商品性の向上などがセールスポイントになっている」(首都圏日産店)と、手放しで明るい表情を見せる。

 9月下旬現在の納期は、1カ月あまりでマイナーチェンジにしては長期化する傾向にある。

 ハイウェイスターは押し出し感のある大型グリルを採用しているわけだが、「ライバル他社のデザイントレンドを真似した感じもするが、昨年末にはエルグランドも同じようなデザインにし好評だから、こちらとの整合性を考慮したのかも知れない。どちらにしてもこうした顔つきは最近のトレンドになっているので、お客さんからの受けはよい。」(同日産店)と打ち明ける。

360度にわたる「全方位運転支援システム」も標準装備。後側方や後方から接近する人や車両もカバーする。従来のカメラに加え、新たにレーダーを追加したことで夜間対応性能も大幅に向上している

 最近の傾向としては、プロパイロットの装着率が高まっていることが目立つ。当初はあまりなじみがないため非装着車を選んでいたのが、最近までに運転しやすいことや安全走行の信頼性が口コミで伝わり、今回のマイナーチェンジを機会に同じ非装着車のセレナからプロパイロット装着車に代替えしたケースもある。

 当初は30%程度だった装着率は、マイナーチェンジ以降40%以上に跳ね上がっている地域もある。顔つきが派手なハイウェイスターの販売構成比も高く、最近は70%以上とマイナーチェンジ前よりも10ポイント程度高まっている。

 e-POWERも、発売当初はエンジンブレーキの利きすぎや騒音が指摘されたが、マイナーチェンジによってマイルドに改良、静粛性の向上によって購入希望者が増えている。

 こちらも、最近は40%程度の販売構成比となっている。モーターのレイアウトの関係でe-POWER車は7人乗り、ほかは8人乗りで2WD車のみ。8人乗りや4WDにもe-POWERが設定されれば、こちらの装着率はさらに高まる可能性がある。

熟成が進んだe-POWER。日産の国内市場をけん引する技術だけに、多くのユーザーに受け入れられるように改良を重ねることは重要だ

次ページは : ■新型投入を販売店はどう感じているのか?

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