■日本の乗員保護技術を大きく前進させたレジェンドの“エアバッグシステム”
1952年に最初の特許がアメリカで取得されたエアバッグ。
その後、日本でも1966年に日本自動車工業会が中心となってエアバッグシステムの研究が進められたが、おいそれと実用化が実現することはなく、むしろ困難をきわめていた。
しかし、1980年12月にメルセデス・ベンツのSクラスがオプション装備で世界初のエアバッグを導入すると、1987年には日本でもエアバッグを装備したモデルが初めて登場した。それが、同年9月にデビューしたレジェンドである。
レジェンドに搭載されたエアバッグはクルマの前方向からの衝突時にステアリング中央部に収納されたエアバッグを窒素ガスによって瞬間的に膨らませてドライバーの顔面への衝撃を緩和する装置で、シートベルトと併用することで効果を発揮するSRSエアバッグシステム。
単に機能させて搭載するだけでなく、“安全システムに誤動作は許されない”という考えを貫いて、16年という歳月をかけて高い信頼性を追求したレジェンドのSRSエアバッグシステムは工学的に設計できないゼロに限りなく近い99.9999%という100万回に1回という故障率を達成。
レジェンドが先鞭をつけたエアバッグシステムはその後、1990年代半ばから急速に普及していった。
また、同車には前輪は左右独立制御、後輪は左右両輪を同時制御して路面状況が左右で異なっていても良好な操舵フィーリングをもたらす3チャンネルデジタル制御ALB(アンチロックブレーキシステム)や高精度デジタルコンピュータ制御のフル電子制御2WAY4速オートマチックなど、ホンダのフラッグシップたる最新鋭のテクノロジーも採用されていた。
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