市販車はどのくらいの外径が相場なの?
トラックや特殊なクルマを除く一般的な乗用車では、ステアリングホイールは外径Φ(ファイ)350前後(直径350mm) に設計されていることが多いです。
過去の知見やユーザーボイス、そして人間工学的な面から、現在、ステアリングホイールの外径は、この大きさが最適とされています。
ちなみに、交換式ステアリングで有名なMOMOやナルディには、φ300よりも小さな超小径ステアリングがありますが、スポーツドライビングや特殊なマイクロカー向けに作られているものです。
人間は1、2センチの違いでも、変わったように感じますので、こうした超小径ホイールは、時間をかけて慣れないと、相当な違和感を覚えます。
グリップの太さも大事!疲れやすさに差が出ます
外径と同じく、腕の力をステリングホイールへ伝えるのに重要なのが、ステアリングホイールのグリップ部分の太さです。
太めのグリップの方が、握りが安定するので、力が入れやすく、また疲れにくいといわれていますが、手の大きさは人によってだいぶ異なります。
女性の方など手が小さい方には、太めのグリップは握りにくく、手が滑ったり、握りが安定せずに運転しにくく感じることもあるようです。
車を購入する際や、レンタカーを借りる際は、ステアリングホイールの径の大きさや太さ、手触りなどが、ご自分と合っているか、しっかりと確認することをお勧めします。
ちなみに最近のクルマだと、BMWのMスポーツは、ステアリングホイールのグリップ部分が非常に太いです。
また、マツダ3やCX-30などは、比較的グリップが細く、握りやすいように感じます。
まとめ
ちなみに、バスやトラックのステアリングホイールの径が大きい理由は、軽い力で回すため、だけではありません。大型車は、普通乗用車よりもホイールベースが長いですが、ふつうの乗用車と同じ交差点を曲がらなくてはなりません。
そのため、乗用車だとおおよそ30度くらいしか切れないフロントタイヤが、トラックでは45度以上も切れるように設計されています。ドライバーの細かなステアリング操作で対応できるよう、大きな外径となっているのです。
また、大型車は車体が大きく重心が高いため、急なハンドル操作をしてしまうと、ステアリングの動きに車体がついてこられず、車両が左右にフラフラとしたり、最悪の場合、そのフラフラがおさまらずに、横転してしまう可能性があります。
そのため、急なステアリング操作となってしまっても、車体が大きく動くことのないよう、外径を大きめにしているという背景もあります。
逆に、レーシングカーやスポーツカーの場合、小さなステアリングホイールを使うことで、わずかなステアリング操作で、瞬時にクルマが反応し、クルマの向きが変わりやすくなります。
(編集部注/最近、真円形のステアリングは減少し、やや横に広い楕円形のものや、下部を水平にした「D型」のステアリングが(トヨタ車やスバル車を中心に)増えてきました。
ステアリングの直径や形、太さ、手の馴染みやすさ、操作しやすさは、安全性や快適性に直結する重要な項目であり、しかも近頃はステアリングの多機能化(スイッチ類等の追加)が進んで、自分好みの後付け製品へ交換することが難しくなっています。
クルマ選びの重要項目なだけに、ぜひとも成約前にじっくり試乗して、その際にステアリングの握り心地や回し具合を注意しながらしっかり体験してみることをお薦めします)
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