「春」にこそ気をつけたい 車内熱中症&スマホ故障の恐怖


 早くも長袖のシャツに暑さを感じ、春の訪れが身に染みる今日この頃、愛車とともに郊外へのドライブを楽しまれる方もきっと多いはず。

 しかし私たちが心地よい春風を楽しむなか、車内環境はすでに夏を超え、サウナに迫る灼熱となりうることをご存じだろうか。まだ大丈夫と思いがちな春先の車内温度と車内熱中症の危険に注目しました。

文:大音安弘 写真:西尾拓登、shutterstock.com


■「すごしやすい季節」だからこそ注意!

 気象庁のデータによると東京地区の昨年4月の気温は、平均14.7℃、最高19.9℃、最低10.2℃と過ごしやすい気候であることが分かる。

 そのいっぽうで4月上旬でも最高気温が25℃を超えることもあり、また5月となると平均20.0℃、最高25.1℃、最低16.0℃と一気に上昇する。

 このデータだけ見ても、冬から春にかけてだけでなく、春先の気温上昇が大きいこと改めて意識させられる。

 そんな春先の車内環境を調査したJAF(日本自動車連盟)のテストによれば、外気はすごしやすい春先、20℃前後でも、閉め切った車内の温度は日の出とともに上昇し、最高気温となる14時頃にはなんと50℃近くになる結果が出ている(下記実験日の最高気温はなんと23℃程度だった)。

 さらに直射日光にさらさせるダッシュボード上は70℃以上、フロントガラス付近でも60℃近くになるというから、いかに厳しい環境であるか分かるだろう。まさに蒸し風呂状態なのだ。

【JAFによる実験値】
◎測定日の最高気温……23.3℃(13時40分頃)
◎ダッシュボード付近……70.8℃(11時50分頃)
◎車内温度(運転席の顔付近)……48.7℃(14時10分頃)
◎フロントガラス付近……57.7℃(11時50分頃)
(テスト日:2007年4月26日、埼玉県戸田市)
参考 http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/usertest/temperature/detail1.htm

 時々、わずかな時間だからといって、エンジンを止めた車内に子供や愛犬などを残しているドライバーを見かけるが(絶対にやめましょう)、彼らの置かれている環境は想像するよりもはるかに厳しい。

 例えば、炎天下に駐車したクルマに戻った際、ハンドルの暖かさや熱さを感じるのは、日差しの影響とともに、車内の温度もそれだけ上昇したという証拠だ。

 また日陰だからという油断も大敵。外気温が上がれば当然、車内温度も上がる。彼らが晒される脱水症状や熱中症のリスクの大きさを改めて意識するべきだろう。

 何度も書くが、季節にかぎらず、外気温にかぎらず、車内に子供やペットを置き去りにするのは控えましょう。

本誌ベストカーでも何度か実験。特にダッシュボード近辺は灼熱地獄になる!
本誌ベストカーでも何度か実験。特にダッシュボード近辺は灼熱地獄になる!

■炭酸飲料やスプレー缶に注意!

 では、人や動物がいなければ大丈夫かといえば、そうではない。

 車内、特に日の当たる場所に置かれているものは、熱による故障や破損の危険性があるのだ。

 もし水やジュースなどのペットボトルなら中身が生暖かくなるくらいで済むが、危険なのは炭酸飲料だ。熱せられた炭酸飲料のボトルや缶は、容器が破裂する危険があり、飛び散った破片で車内が損傷し、ドリンクまみれになることもある。

 同様にライターやスプレーなど発火性のあるものも要注意。

 筆者自身、以前、クルマのルームミラーが破損していた方にその理由を尋ねると、車内に購入した「くん煙殺虫剤」を置き忘れ、それが爆発したとのことだった。

 駐車中だったため、車内に誰もいない状態だったが、爆発した「くん煙殺虫剤」には、ルームミラーを壊すほどの威力があることに驚かされるとともに、もし人やペットが近くにいたらと思うとぞっとした。

次ページは : ■身近な「あれ」はぜひ持ち歩こう

最新号

ベストカー最新号

【新型プリウス デザイン判明!!】 EVスポーツで「セリカ」復活|ベストカー6月10日号

 外出自粛が続く今、自宅で紙の「ベストカー」本誌を眺めるのもいいものです。本日5月10日発売のベストカー6月10日号、注目企画はトヨタのこの先のパワーユニット戦略を暴くスクープ。水素燃焼エンジンやe-FUELの開発状況にも迫ります。  その…

カタログ