新型フィットと同時期発売でやや注目度薄まった!? 通算10代目となったホンダの名門、新型アコードは予想以上の「実力派」だった!
2017年秋の北米投入から遅れること約2年。新型アコードが2月21日に日本発売された。10代目となる新型は、1976年の登場当時からボディサイズこそ変わったものの、世界的に見ればホンダの大黒柱となる4ドアセダンというポジションは変わらない。
ただ、今や販売の中心は北米や中国となり、結果的にデビューが新型フィットと重なったこともあって、日本ではやや話題にのぼりにくい存在……というのが正直なところ。
しかし、生まれ変わったホンダの名門は意外や意外、想像以上の実力派であった! 乗って分かった「良いクルマなのに地味な理由」を解説したい。
文:永田恵一
撮影:奥隅圭之、写真:ベストカー編集部
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新型アコードは「良いクルマ」なのか
タイ生産となった新型アコードの日本仕様は、機能面を見ると低重心かつ軽量ながら強いボディ剛性を持つ新開発のプラットホームの採用、先代モデルと同じハイブリッドの小型化など、正常進化を遂げた。
ただ、実用的な4ドアセダンだった先代に対し、新型アコードは現在の4ドアセダンで増えつつあるクーペルックとなった点は新鮮だ。
なお2019年の東京モーターショー開催期間中から先行予約が始まっており、受注開始から約4か月の3月8日時点で約1500台が受注されたという(月販目標台数は300台)。
同時期にデリバリーが開始された新型フィットとは対照的に、新型アコードはメディアも含めモーターショー来場者からの注目は非常に薄かった。
それだけに試乗前の予想は、「期待薄」あるいは「ホンダの大黒柱なのだから良いクルマに違いない」という真っ二つに分かれそうだが、新型アコードはまさしく後者だった。
e-POWERとはどう違う? 新型アコードHVの実力は??
「i-MMD」から「e:HEV(イーエイチエーブイ)」に名称が変わった2モーターハイブリッドは、日産の「e-POWER」に近い構造。主にエンジンを発電用に使うシリーズハイブリッドであることは不変だ。
一方、e-POWERとの違いは、クラッチを備え、速度域が上がるとクラッチを接続、モーター駆動より効率(≒燃費)に優れるエンジン直結駆動モードを持つ点だ。
そのためバッテリー残量に余裕があれば“EV走行”、速度域約70km/h以下でエンジンを発電に使う“ハイブリッドドライブ”、“エンジン直結モード”の3つのモードを持つ。
特にハイブリッドドライブでは、気にせず乗っているとエンジンが動いているのか分からないほど、電気自動車のように静かかつスムースで快適だ。
速度域が上がりエンジン直結モードとなった際のクラッチの断続も、接続時にメーター表示を確認しないかぎり分からないくらいスムースだ。
加速力はエンジンが掛かっている状態でアクセルを深く踏めば、大柄ながら先代アコードより50kg軽い1560kgの新型アコードをグイグイと引っ張り、爽快だ。
1つだけ気になったのは、EV走行中に追い越し加速などでアクセル全開にした際、本格的な加速の開始までに若干のタイムラグがある点。筆者は大きな弱点とまでは感じていないが、ディーラーでの試乗の際に確認してほしい。
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