日産の新型軽自動車「ルークス」が2020年3月19日より発売開始となった。
「軽スーパーハイトワゴン」ジャンルに属するルークスであるが、このジャンルは、近年日本で最も売れているジャンルであるのと同時に、なんと26カ月も国内販売台数トップに君臨し続けた絶対王者「ホンダN-BOX」が存在するジャンルでもある。
全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表している軽自動車の販売台数を見てみると、2020年3月はホンダ「N-BOX」:2万2078台、ダイハツ「タント」:1万7370台、スズキ「スペーシア」:1万6077台と、軽スーパーハイトワゴンが上位を独占。そのなかでも、N-BOXが圧倒的な強さを見せている。
2014年2月に先代「デイズルークス」が登場して以来、6年ぶりとなるフルモデルチェンジした新型ルークスは、N-BOXにどこまで迫ることができているのだろうか。今回、NAとターボモデルに試乗することができたので、その進化度をお伝えする。
文/吉川賢一
写真/平野学、NISSAN
【画像ギャラリー】王者N-BOX打倒に燃える「新型ルークス」を細部までチェック!!
■新型「ルークス」はどこが進化したのか?
新型ルークスで進化したポイントを見てみよう。旧型ルークスに対し、コンパクト化したヘッドライトや、リアからフロントまで入った直線的なキャラクターライン、ウィンドウ下端の延長線上にボンネットが並ぶ直線性など、デザインの嗜好は、人それぞれではあるが、シャープでまとまり感のある完成度の高いデザインに感じる。車両後端のウィンドウラインのキックアップは、まるで「ミニセレナ」だ。
車室空間を広げるため、旧型ルークスに対し、フロントタイヤを60mm前へ、リアヤイヤを5mm後ろへ移動、ホイールベースを65mm(2495 ← 2430mm)も延長した。またドライバーの着座位置を上げながら前へ出したことで、運転席からの見晴らしが、さらによくなった。N-BOXのほうがAピラー幅は細いのだが、ルークスはアイポイントが高くて前方にあるため、見晴らしは同等以上だ。
軽スーパーハイトワゴンにありがちな、フロントガラスの遠さを感じにくく、ルームミラーも車両後方寄りについているため、軽スーパーハイトワゴン特有の運転感覚はあまり感じることなく、とても運転がしやすい。
また、もともと広かった後席ニールームが一段と拡大した。合わせて、Bピラー位置を前出ししたことで、後席スライドドアの開口幅も95mmも広げることができた(最大幅は650mm)。これならば子供を抱きかかえて、後席シートへ座らせる際も容易だ。後席ロングスライドシートの移動量は、競合車中ナンバー1の長さを実現している(日産調べ)。
なお、後席の折りたたみ方式は、背もたれと座面が後席足元に格納されるダイブダウン型から、背もたれが前へ倒れながら座面が下がるフォール&ストー型へと変更された。これによって、操作力が軽く、力の弱いママさんでも、軽々扱えるようになった。さらに、後席ドアにはハンズフリースライドドアが採用されている。
先進運転支援技術も豊富に織り込まれている。プロパイロットや、アダプティブLEDヘッドランプ、煽り運転時の通報も可能なSOSコール、アラウンド・ビュー・モニターなど、先進安全装備も満載だ。
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