■マツダが提供したい価値とは「心地よい刺激を感じられる歓び」
クルマという工業製品は、安全性や快適性などを改善するため、時代に則して絶えず「変わり続けること」が必要だ。しかし、クルマという嗜好品に求められるのは、それだけではないと考える。
自らの存在感を主張することもなく、助けが欲しい時以外には存在感を消している。しかし、すぐ横にいてくれるので困ったときには助けてくれる、そんな「心地よさ」を、マツダは提供したかったのではないだろうか。
「究極の相棒」というには、現時点のCX-30では少々物足りない気もするが、それよりも、「そのクルマを選択する意味」を伝えていくことのほうが、大切なのではないか、と今回、この試乗会で感じることができた。
「このクルマのハンドリングや乗り心地といった性能は凄いでしょ!」とわかりやすく伝えるのも大切だが、「このクルマがあれば、心地よい刺激を感じることができ、暮らしが豊かになる」という体感してもらうことも大切だ。
そういった意味で、今回の試乗会はとても有意義であったし、マツダのやりたいこと、伝えたいことに、非常に感銘した、というのが感想だ。筆者としては、今後のマツダの戦略には、注目せざるを得ない。
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