パワーに劣るベースモデルでも満足できる加速感
では一般道での試乗ではどうだったのか。
まず動力性能では今回カメラマン・編集者との3名乗車。2人ともヘビー級(80㎏前後)なのでなかなかの重量(筆者は58㎏)。
しかし発進も加速もまったく力強い。日産リーフのe+(62kWhバッテリー)ほどの加速力ではないが、約半分レベルの35.5kWhのバッテリー容量を考慮しても十分以上だ。
ホンダeにはベースモデルとAdvanceの2モデルが用意されていて、Advanceの154psに対してばベースモデルは136psとなっている。価格はベースモデルが451万円、Advanceが495万円と安くはない。
EVの場合エンジン車のように動力源であるモーターそのものを交換する必要はなく、電力をマネージメントするだけで出力を変更できる。ちょうどターボ車のブーストコントロールのようにだ。
特にモーターは高回転域の電力損失が大きいのでトランスミッションを持たないEVでは航続距離に影響する。
ベースモデルの航続距離は283㎞(WLTC)に対しAdvance は259㎞(WLTC)と、パワーはあるが短くなる。
しかし両モデルともに最大トルクは315Nmと同じ。つまり一般走行に重要な低速トルクはプログラミングで同じにできるのが電気系のスゴイところ。
実際の一般道試乗でベースモデルは、坂道を含めまったくAdvanceと遜色ない力感だった。最終減速比は9.545なのでちょうど5速ギヤオンリーで走っているようなもの。違うとすれば高速道路での追い越しぐらいだろう。
デザインと機能性が高い次元で融合したコックピット
ボクが気に入ったのはインテリアだ。ただし後席とラゲッジスペースはたいしたことはない。
まずドライバーの着座位置だが、床下にEVで一番の重量物であるバッテリーを置きRRとしたことで前後重量配分を50:50とし、その中央(前後重量配分に影響しにくい位置という意味)に前席がある。
このため後は狭い。だがシートなどで精いっぱいの努力は見える。また天井に読書灯のLEDを埋め込むなど粋な計らいも見える。
ラゲッジスペースはモーターを置きクラリティでは縦に置いていたインバーターを横置きするなどの方法を施しているが、ルノートゥインゴほどではないが高さがあるので実質容量は小さい。かといってフロントは充電口など機械スペースでラゲッジはない。
気に入ったインテリアのイチバンはメーターパネル横に助手席まで伸びた2枚のディスプレイ。そしてそれらを統合したデザインだ。
メルセデスが採用する2枚のタブレット形状のディスプレイをポンと置く都会的なデザインもいいが、ホンダeのようにちゃんとデザインすると暖かみがあって癒されるような心地よさがある。
しかも助手席でもさまざまなセッティングを可能とし、助手席側と運転席側のディスプレイ情報をタッチひとつで入れ替えることができるというアイデアは使い勝手の幅を広げる。さらのコネクティビティ面でも最新の仕様となっている。
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