これが世界最高級 ロールスロイス新型ファントムの超常的な伝統と実力

 創業111年。世界最高峰のブランド力を誇るロールスロイス、その主力車種であるファントムがフルモデルチェンジしました。2017年7月に英国で発表されましたが、日本には未導入。先代は約5000万円で、今回「新モデルはいくらくらいになりますか?」とロールスロイス・モーターカーズに問い合わせたところ、「すでに受注は入っているんですが(!?)、1台1台オーダーメイドなのでまだ標準価格は出せません。もう少々お待ちください」と、かなり浮世離れしたことを言われました。
 そんな新型ファントムに、いち早くスイスで試乗してきたモータージャーナリストの石川真禧照氏が、「ロールスロイスってどのへんがすごいのか」から語ってくれましたので、お届けします。
文:石川真禧照 写真:ロールスロイス・モーターカーズ


■あまりに静かに忍び寄るので「幽霊」

 なぜロールスロイスが、今日、世界最高峰の高級車メーカーとして知られているのか。それは同社のクルマづくりへの姿勢とこだわりが創業当初から変わっていないからだ。

 ロールスロイスの創業は1906年。天才技術者のヘンリー・ロイスと企業家としても有名だったチャ―ルス・スチュアート・ロールス卿が販売を引き受けることでスタートした。ロイスの技術へのこだわりが精巧で緻密なクルマづくりにつながった。ヨーロッパの公道レースなどで優勝したロールスロイスを分解し、部品も交換せずに、再び組み立て、レースに参加し、上位入賞することなどで、品質の高さが知れ渡った。

 その誇りはいまもロールスロイスのクルマづくりにある。

ロールスロイス・新型ファントム。英国で今年7月発表(日本には来春発売)
ロールスロイス・新型ファントム。英国で今年7月発表(日本には来春発売)

 ロールスロイスの車名は、今回試乗したファントム(幽霊)のほかにゴースト(亡霊)、レイス(生霊)など、不気味な名前が多い。いずれも、音もなく現れる、という意味が含まれている。

 そう、ロールスロイスはEVでもPHVでもなく、V12やV8エンジンが動いているにもかかわらず、音もなく近寄り、走り去っていくところから、このような車名を創業当初から付けているのだ。

 さて今回試乗したのは新型ファントムである。

 ファントムは1925年に初代が登場し、このモデルで8代目になる。この間、歴代のファントムは、世界中の富家や王候貴族の元でさまざまな歴史的出来事に立ち合ってきた。

 おそらく8代目もそういう運命にあるに違いない。その運命の扉が開かれる前に、幸運にもハンドルを握り、高速道路からワインディングロードまでを走らせることができた。もちろん運転手にハンドルをまかせ、後席でゆったりとしたVIP気分も味わうことができた。

後席には左右にWeb接続済みのモニターが装着されている。なんというか、リビングが移動する感じ
後席には左右にWeb接続済みのモニターが装着されている。なんというか、スイートルームが移動する感じ

■ワインディングをハミングしながら駆け上がる

 スイスで試乗することになった8代目ファントムは、ハンドルを握っても実に痛快だった。こう書くと、全長5m以上、重量2.5トン以上の大きなリムジンが痛快? とフツーは思う。ところが国際試乗会が行われたスイス・ルツェルン近郊の国道は片側1車線でガードレールがあり、峠道も同じ道幅。でもここをニューファントムはヒラリ、ヒラリとノーズの向きを変えながら、制限速度をはるかに超えるスピードで走り続けることができたのだ。新開発されたアルミのスペースフレームはロールスロイスが自身のためだけに開発したアーキテクチャ―。これが功を奏している。

 V12エンジンも重さを感じさせずワインディングをハミングしながら駆け上がり、駆け下りる。

「大きく重い」ということをまったく感じさせない圧倒的な性能
「大きく重い」ということをまったく感じさせない圧倒的な性能を持つ

 インテリアも新しい。インパネ全面の模様や色を自分の好みに出来るのだ。インパネ全体がガラスで被われ、その裏側に好きな絵や写真を貼ることができる。このアイディアも新しい。

 リアシートの快適性は、自分の家のリビングに居るのがイヤになってしまうほど、快適で落ち着く。本当に動く応接間なのだ。

 まだまだ報告したいことは沢山あるのだが、今回はここまで。

 この8代目ファントムは2018年春には日本にも上陸する。

伝統を守りながら新技術を積極的に導入するところもロールスロイスの強さ
伝統を守りながら新技術を積極的に導入するところもロールスロイスの強さ

 

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