T-Roc TDI Style Design Package /404万9000円) &TDI Sport/418万9000円
T-Rocのボディサイズは、国内で競合となる、トヨタC-HRやホンダヴェゼル、日産キックスと比べ、全長は短く、車幅はワイドな寸法だ。
日本での知名度はそれほど高くはないが、ドイツ本国では、2019年の販売台数が20万7863台(参考:JATOデータベース)と、ティグアン(約22万台)に次いで売れまくっているSUVだ。
トレーリングアーム式のリアサスを用いたコンパクトSUVと考えると、405万円という価格はずいぶん高く感じるが、ナビやオーディオ、コネクティッド機能を有した8インチタッチスクリーンモニターのDiscover Proや画面全体に地図表示ができるデジタルメータークラスターも標準装備。
また、全車速追従機能付のアダプティブクルーズコントロールやレーンアシスト機能も、もちろん付く。そうなるとT-Cross同様、T-Rocもコストパフォーマンスはかなり高い。
走りは期待以上だった。コーナーでのステアリングの操舵力は軽く、楽にレーンキーピングができる。
VWゴルフよりは視界が高めとなってはいるが、交差点やコーナーでのボディモーションはよく抑えられており、加速減速、交差点などでの姿勢変化も少ない。「ゴルフ並み」とまではいかないが、安心感の高いハンドリングの所作だ。
また、素の直進性が高いことで、修正操舵もごく少なくて済む。そして、ACC作動時には、アクセルペダルの右側にある足置き台が、絶大な威力を発生する。
両足でステップを踏む姿勢を取ると、足だけでなく腰や背中まで、力が抜ける。ぜひ国産メーカーにもマネしてほしい装備だ。
乗り心地は、中低速ではやや硬めで、路面の継ぎ目やマンホールなどでは、ゴツンというショックを感じる。
特に、リアタイヤが地面から受ける当たりが硬く感じ、突起ショックのレベルは国産SUVの平均点以下だ。17インチを履くベースのTDI Styleであれば、路面との当たりは若干マイルドになるが、まだ硬さが残る。
TDI Sportは、2LディーゼルターボのTDI(150ps/34.7kgm)と7速DSGの組み合わせとなる。
出足の力強さと、加速のよさが魅力だ。1430kgのT-Rocを簡単に高速度域まで加速させてくれる。車速ゼロからの発進、緩加速、合流の強加速、高速巡行走行など、シーンを問わずに力強い。
しかもそれを、2000rpm程度の低い回転数でやってのける。ガラガラとしたエンジンノイズも、加速する時にはむしろ力強く感じる。国産のハイブリッドやEVの静かな走りもよいが、ロングツーリングにはやはりディーゼルが向いている。
高速巡行を得意とするVWのディーゼルエンジンがいいのか、一般道での静かさと燃費に勝る国産ハイブリッドがいいのかは、クルマの使い方によって変わってくるが、T-Rocはデザインのよさが決め手となると思う。
筆者はT-Rocのリアスタイルが気に入っている。T-Rocのお洒落な外観は、見る人の目を引くことができるはずだ。
■お薦め度 :T-Roc TDI Style Design Package/85点、 TDI Sport/83点(100点満点)
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