スバル・レガシィ2代目試乗 さらにスバルらしくなった! 【徳大寺有恒のリバイバル試乗記】

■北米での安全基準を満たす安全ボディ

 ところで、ニューレガシィのもうひとつの特徴は、新しいボディが、レベルの高い受動安全ボディだということだ。

 1994年からのFMVSS(アメリカ連邦自動車安全基準)を満足するボディで、これは日本国内ではまだ珍しいものだ。

 スバルはまじめなので横方向からの衝突に対し、ほぼ完全だが、もう少しやり残したことがあると述べている。こと安全に関することの正直な説明は、むしろ信用を高めるだろう。

 またこれも大いに気にいっていることだが、ニューレガシィは走り出すと自動でドアロックするシステムは付いていない。

 これも安全のためで、多くのメーカーはトヨタがやるからと、それを追従していたものだ。スバルは(おそらく)営業やディーラーの反対を押し切って、それをやったのだろう。

レガシィツーリングワゴンGT(4AT)…0〜400m加速:15.528秒・最高速225.46km/h
レガシィツーリングワゴンGT(4AT)…0〜400m加速:15.528秒・最高速225.46km/h

 というワケでニューレガシィというクルマは、国産車には珍しく理想主義的なクルマに仕上がっている。私がよく言っている内装色の少なさも近々1色を加え、3色にするという。スバルのようなメーカーはそのあたりを気配りすべきだ。

 実際に走ると私はオートマチックの2L NA、4ドアセダンがいいと思った。ターボワゴンのGTやターボセダンのRSももちろん速くて面白いのだが、この地味な2L、NAセダンはスムーズで静か、それでいてフラット4特有のフィールを残し、ほかのFFセダンとは違った味があった。

 今回ニューレガシィに乗ってみて、オーソドックスなクルマづくりを行いながらもスバルらしさや大メーカーとは違ったクルマ作りを目指していることがわかり、大いにうれしかった。

 願わくばこのクルマを6年くらい作り続け、その間に実質的な内容の充実を見る、というクルマ作りをすれば、スバルファンはもっと増えるだろう。

発売前にツーリングワゴンはユタ州ソルトレイクシティのボンネビル・スピードウエイで1㎞区間を平均249.981km/hで走り、世界最速ワゴン記録を樹立した
発売前にツーリングワゴンはユタ州ソルトレイクシティのボンネビル・スピードウエイで1㎞区間を平均249.981km/hで走り、世界最速ワゴン記録を樹立した

◎レガシィツーリングワゴンGT(4AT)主要諸元
全長:4670mm
全幅:1695mm
全高:1490mm
ホイールベース:2630mm
エンジン:水平対向DOHCターボ
排気量:1994c
最高出力:250ps/6500rpm
最大トルク:31.5kgm/5000rpm
車重:1420kg
サスペンション:ストラット/ストラット
10.15モード燃費:9.4km/L
当時の価格:286万6000円

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