2020年12月、マツダの中核モデル、CX-5が2019年12月以来約1年ぶりとなる改良を受けた。2.2Lディーゼルエンジンの出力向上、ガソリンエンジンも制御が変更されるなど、テーマとしている「走る歓び」の進化が図られている。
2017年12月のフルモデルチェンジから4年。円熟と表現して差し支えないであろうその進化の度合いについて、特別仕様車「Black Tone Edition(ブラックトーンエディション)」とともにご紹介。
●改良されたCX-5、ココがスゴい!
・SKYACTIV-D 2.2がパワーアップ。190ps→200psに。
・アクセルペダルの反力が強くなり、コントロール性がアップ。
・マツダコネクトが最新型に! センターディスプレイは大型化&ワイド化(8インチ→10.25インチ ※オプション)。
※本稿は2021年1月のものです。試乗日:2020年12月18日
文/松田秀士、写真/MAZDA、ベストカー編集部、撮影/茂呂幸正
初出:『ベストカー』 2021年2月10日号
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■ディーゼルエンジンがパワーアップ! 6速AT制御も「進化」
CX-5が商品改良を実施。
その内容について、興味をそそる順に挙げると、まずディーゼルエンジンのパワーアップと6ATの制御技術アップデート、センターディスプレイサイズの拡大とコネクテッド、アクセルペダルの改良、助手席リフトアップシート車にも上記アップデートの採用、といったところ。
ここのところe-SKYACTIV XアップデートやMX-30デビューなどの陰に隠れていたかのようなCX-5。筆者もそろそろ何かしてよ! と考えていたところ。
今回のテーマは「走る歓び」の進化だ。で、試乗したのは2.2Lディーゼルエンジン搭載モデル。
そのディーゼルエンジンは190ps/4500rpm→200ps/4000rpmにパワーアップ。実は比較試乗用に現行モデルも用意されていたので乗り比べができたのだ。
で、そのディーゼル。現行モデルから新型に乗り替えると明らかに加速フィールが異なる。新型のほうが力強くスムーズだ。
高速道路の合流や追い越しでもパワフルな走りを強化したとのことだが、3000rpm以上で10psのアップ。高回転への抜ける感じがあり、ディーゼルっぽさをより感じさせなくなった。
またアクセルの踏み込みを速くすると(速踏み)高速域の2速シフトダウンなどすばやく行えるようになった。これは6ATの制御アップデートによるもの。若干シフトショックはあるものの、それがかえって加速感を助長するのだ。
これに関してはアクセルペダル踏力の最適化が行われたことも効いている。若干リターンスプリングを重くしているのだ。
乗り比べると現行モデルが軽四輪のように感じるほど。かといって重くはない。
ドイツ車のなかには電子スロットルなのに重いなぁ! と感じるモデルも最近多いが、それらに比べると軽く、なによりもスムーズに操作できる。これが高速域でのクルージングでも操作性を確実なものにしている。
また市街地走行でも、これまで加速時にシフトダウン→急激トルクアップ→急加速になることがあった。主に踏みすぎが原因。
ディーゼルは回転数によってはターボのトルクアップが激しいことによる現象だったのだが、このあたりの操作性がアクセルペダルによって大きく改善している。
さらにスポーツモードでの一定車速走行時の不要なシフトアップを制御している。
これまで、まるでポツンと一軒家のような寂しいセンターディスプレイだったのだが、新型ではオプションで10.25インチに拡大(標準は8.8インチ)。
これがとても見やすい。特にリバース時の後方及び俯瞰の映像がクリアになり、コンビニなどで不安なく駐車できた。
また、車載通信機搭載が標準設定となりマツダコネクティッドサービスやスマートフォンアプリの利便性が向上したのと、緊急通報サービスが利用できるようになり24時間の安心サポートを提供している。
試乗後の感想は、サスペンションやボディーなどの商品改良はないものの、走り全体のしなやかさやスムーズさが進化したように感じた。
やはり動力系のアップデートはクルマ全体の質感を上げることに繋がると再認識した。
●CX-5 XD PROACTIVE主要諸元
・全長:4545mm
・全幅:1840mm
・全高:1690mm
・ホイールベース:2700mm
・最低地上高:210mm
・最小回転半径:5.5m
・車両重量:1630kg
・エンジン:直4DOHCディーゼル+ターボ 2188cc
・最高出力:200ps/4000rpm
・最大トルク:45.9kgm/2000rpm
・車両価格:322万8500円
(TEXT/松田秀士)
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