■ロシア云々以上にプリミティブさに驚愕!
シビれるのはボディプレス精度で、右リアサイドドアを開けてビックリ。開口部のゴム類、内装樹脂などは極力省かれ、鉄板の端っこは荒れていてうっかり触ると手を切っちゃいそう。鉄板表面は波打っており、さっきまで職人が手で叩いていたかのよう。
運転席に座るとさらに驚き。着座位置がやたら高いだけでなく、インパネは鉄板むき出し。ドアに少し付いてる内張りも精度が揃ってないし、エアコン操作はすべてスイッチ。ダイヤルや送風口すらなく、温風は剥き出しのダクトパイプから出てくるだけ。手打ちそば並みの精度で作られたワンボックス4WDであり、いやマジで久々の自動車カルチャーショック!
小沢が生まれる前の1950年代は「クルマってこんな風に手作りされてたのね」と思うし、それが一部ロシアで今も行われていることに驚かされる。
走り出すとまたまた驚き。エンジンはピークパワー&トルクが112ps&198Nmの2.7L直4DOHC16バルブで、まあそこまではいい。気になるのはサイズと搭載位置で、ハイエース同様、キャブオーバーレイアウトで運転席下に縦置き搭載されているのだが、助手席との間に熊のようなサイズで鎮座してるうえ、運転中にカバーを開けることが可能。エンジンファンで手を切ることができる位置関係にあるのだ。
走り味も凄く、シフトブーツのない、グニャッとした5MTを操りつつ、重いクラッチをつなぐと、あっさり発進。車重2トン以上もあるわりに操作はしやすいが、さすがに前後板バネの原始的リジットアクスルだけある。ボディ剛性感、ステアリングフィールや操舵精度はリアル1960年代。小沢のなかでは今やクラシックカーとも言えるランクル40系以来の柔らかな味わいだった。
■ロシア通貨、ルーブル暴落でどうなった?
今現在、ロシアにはトヨタや日産の工場があり、工作精度の高い最新SUVが作られ、現地で売られている。しかし、同時にUAZやラーダニーヴァも売られているのだ。おそらく都市部ではなく、人里離れた郊外や気温が平気でマイナス20度以上いくような荒野を中心に。そのほか、救急車、緊急車両としてもUAZはふつうに使われているという。おそらく他国にはない二面性を持つロシア車ワールド、実に興味深い。
ちなみに、今のルーブル暴落でUAZ&ラーダの価格がどうなるかについてだが、ルパルナスの会長いわく、「ルーブルが安くなればそのぶん、額面の車両価格は上がります。何年か前にハイパーインフレが起こった某国からの輸入がそうでした。クルマ1台数千万ルーブルとか、ゼロがいくつあっても足りない状態になるかも!? ウチは現地駐在員を置いていて、常にベストな方法を選択しています。政情不安地域と貿易する必殺仕事人はドル建て決済です!!」
いやはやひと筋縄にはいかない、いろんな意味で大変な状況のようだ。
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