カムリ新グレード「WS」実力は? 消えゆく「あのモデル」の代わりなのか!?

■マークX廃止の布石として…?

 今回この「WS」グレードをカムリに設定したのは、トヨタにとって重要な販売戦略となる。

 というのも、ご承知のとおり、カムリは(先代型までカローラ店専売モデルだったが)現行型からトヨペット店(東京地区はトヨタ店)、ネッツ店、カローラ店の併売モデルとなった。

 特にポイントなのは、トヨペット店にはマークXがあり、競合を避けるための棲み分け策として単独系列扱いだったのだが、しかしトヨタはここ数年、日本市場での「系列店の廃止」、「車種整理」を進めている。

 マークXは車種整理の対象車種であり、早ければ今年中の生産終了もあると言われている。

 そうしたなか、「マークXがなくなると、トヨタからミドルサイズのスポーティなセダンがなくなってしまうではないか」という声が出ていた。

こちらはマークX。2018年8月の月販台数は262台。いっぽうカムリは957台だった

 そこに(他系列併売車種である)カムリのスポーティグレード「WS」の追加である。

 ここまで材料が揃うと、やはりトヨタは系列店の廃止、車種整理を進めるため、着々と準備を整えているんだな、とも思える。

 もちろんそうした販売戦略があるからといって、このカムリWSの魅力が損なわれるわけではない。カムリWSにはカムリWSのよさがあり、マークXにはマークXのよさがある。だからこそ、マークXは生き残ってほしいし、このカムリWSも売れてほしいと思うのだが……。

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