走り出しが完璧!! 新型クラウン公道試乗!! 挑戦と革新のクロスオーバー化で得たものと失ったもの

「クラウン像」を打ち壊したかった

 今回の新型クラウン誕生のきっかけについて、開発責任者である皿田明弘氏に伺うことができた。

 皿田氏は「2003年に登場した12代目、通称ゼロクラウンで、クラウンとしての方向性を大きく変えてから20年が経ち、また世界的にクルマに求められることが変わったことや、クラウン購買層の高齢化などもあり、トヨタの内部で次のクラウンはどうするのか、という論議をよく交わした。当初はクロスオーバー化をマイチェンとして提案したが、社長のフィードバックもあり、紆余曲折あって、クラウンシリーズとして4車種開発をするにまでになった。」という。

 車両性能開発担当の、車両技術開発部第1車両試験課 グランドエキスパート匠の佐藤茂氏も、「これまで積み上げてきたクラウンのリソースを捨てることはないが、一度方向性を見直そうと考えた。走りや乗り心地の面でいえば、ロイヤルサルーン的な乗り心地重視のハイブリッドを目指した。今作は、狙い通りのクルマを提供できたつもり。これまでお客様がいだいてきたクラウン像とは変えたが、トヨタが出した新生クラウンの答えに対し、お客様がどのように感じるようになるのか、ぜひとも知りたい。」としていた。

「新たなユーザー」は得るだろうが、「ショーファードリブン」の要素は希薄に

 後席に人を迎えるサルーンでないといけない、全高は低くないといけない、欧州車と戦える性能でないといけない、日本国内で使いやすいよう全幅1800mmは超えてはいけない。クラウンはこれまで、このような「クラウン像」によってがんじがらめにされていた。今回この「クラウン像」を取り払い、既成概念をブレークスルーしたことは、トヨタの狙い通り、新たなユーザーを獲得することにつながるだろう。これはクロスオーバー化による大きな利点だ。

 ただ、今回の試乗で、いくつか気になった点もいくつかあった。エクステリアの艶やかさとは対照的に保守的なインテリアや、ステアリングホイール上のスイッチ類の使いにくさ(ステアリングスイッチに凹凸がなくしかもステアリング外周から遠い)、センタータッチモニターが横に長いために、運転中に画面左側のタッチスイッチに手が届かない(運転中に姿勢が崩れる原因)ことなど、このクラスの価格帯にしては物足りない。

 もっとも気になったのが後席だ。後席空間の広さは十分あり、シートのホールド感や乗り心地、シートとフロアの段差も丁度よく足は疲れないのだが、トップモデルの「RS Advance」以外のグレードには、後席にはパワーシートやシートヒーター、電動サンシェード各などの贅沢装備は設定すらなく(「RS Advanced」のみのオプション「リアサポートパッケージ(税込279,400円)」では、電動リクライニングパワーシートやシートヒーター、電動リアサンシェード、各種コンソールスイッチ付のリアセンターアームレストなどが備わる)、手動のリクライニング機構すら設定がない。

 そのため、「高級車の後席に座る」という優越感、満足感は残念ながら薄く、カムリと同じような水準の後席環境。クラウンに期待したい「クラウン」のショーファードリブンとしての役割を捨ててしまっているかのようで、この点に関しては「これでいいのか!??」と少々疑問に感じた。

 ただ、新型クラウンには、まだあとスポーツ、エステート、セダンの3種ある。ショーファードリブンとしての役割はセダンに任せる、という判断なのかもしれない。最上級グレードの2.4Lターボハイブリッドを搭載した「クラウンクロスオーバーRS Advance」を含めた、「新生クラウン」の全貌をはやく見たい。

【画像ギャラリー】これが新世代のクラウンだ!! 新型クラウンクロスオーバー公道試乗のようす(32枚)画像ギャラリー

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