■カローラシリーズ、想定以上にすべてが「いい仕上がり」!
では、試乗インプレにいきたい。今回、試乗したのはセダンのカローラが1.5Lダイナミックフォースエンジン、ワゴンのカローラツーリングが1.8Lハイブリッド、そして最もスポーティな5ドアHBのカローラスポーツが2Lダイナミックフォースエンジンだった。
まずはセダンのカローラから。改良前は1.8Lだったガソリンエンジンの排気量は今回、1.5Lにダウンサイジングされている。しかもリアサスが従来の1.8L車のダブルウィッシュボーン式からトーションビーム式に変更されていた。これだけを聞くと、「ゲッ! コストダウンですか?」と思ってしまうのだが、さにあらず。このサイズのカローラは過不足なく、改良モデルで想定以上に走れるのが実感できた。いや、これで充分じゃないかと。
もちろん、アクセルをガバッと踏んでしまうと従来の1.8Lには及ばないのはわかるのだけど、総じて従来の1.8Lモデルに劣るのかというと、まったくそうではないことが実感できた。あくまで担当の個人的な感想で街中走行の範囲内ではあったんだけど。
続いて試乗したのは、最もスポーティなカローラスポーツの2Lダイナミックフォースエンジン搭載モデル。こちらはスペック(170ps/20.6kgm)からすると、あくまで「そこそこ」なスポーティ感だろうという先入観を持っていたのだが、いざアクセルペダルを踏み込んでいくと思っていた以上にキビキビした出足を見せてくれた。年甲斐もなく思わず、快哉を叫んでしまった。
足回りにはフロントにマクファーソンストラット、リアにダブルウィッシュボーンを奢っていて、ふつうに交差点を曲がるだけでもその楽しさが伝わってくる仕上がりになっていることに思わず笑みがこぼれてきた。その秘密はどうもカローラスポーツ専用の足回りのチューニングにあるらしい。
そして最後がシリーズ随一の売れ線モデルであるワゴンのカローラツーリング。パワーユニットは1.8Lハイブリッドだったが、フロント側モーターが変更されたことでシステム出力も向上している。
余談だが、弊社の社用車にはこのカローラツーリングの1.8Lハイブリッド改良前初期型モデルが稼働しているのだが、それと比べても改良モデルはドライバビリティの向上が明らかに感じられた。
ちなみに改良カローラシリーズの価格帯はセダンのカローラが199万~299万8000円、ワゴンのカローラツーリングが207万~304万8000円、5ドアHBのカローラスポーツが220万~289万円となっている。
今回のカローラシリーズはBプラットフォーム(旧ヴィッツクラス)を採用していた先代カローラアクシオ、フィールダーとは一線を画す実力を持つモデルながら、それをリーズナブルに提供している点が現在の市場から支持を得ている最大の理由だと思う。そのことが今回の一部改良モデルの試乗から改めてわかった。
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