ハイラックスといえば日本のみならず世界で愛されるオフローダー。日本でも多くの需要があり、ついに導入された1台だ。
質実剛健でタフな1台だが若者からは他人と被らない強烈な個性で支持を集め、ライフスタイルとしてのピックアップ人気もありそう。
そんなハイラックス、タイでは一足先にフェイスがチェンジされていた。ベストカーWebでは「タイラックス」として報じていたが、そのタイ仕様のハイラックスが特別仕様車として日本デビュー。
しかもホワイトレターにオバフェンまで装備。駐車場に入らないほど大きいんだけど、なんだか欲しくなっちゃいませんか?
文:ベストカー編集部/写真:池之平昌信
ベストカー2019年2月26日号
■全長15mm、全幅30mm増で男前度アップ!!
2017年9月に日本で販売開始されたハイラックスは一時は1年待ちというほどの大人気となったのは記憶に新しいところ。
今回ハイラックスが生産されるタイで人気のRocco(ロッコ)というモデルに近いフロントマスクを持つZブラックラリーエディションを特別仕様車として販売した。
ポイントは精悍になったフロントグリルとバンパー周り、そしてブラックのオーバーフェンダー、ホワイトレタータイヤといったトータルでのコーディネート。
少しずつ変更されることで全体の印象がしっかりと変わるという見本のようなものだ。
価格は394万7400円とベースとなるZが374万2200円だから約20万円アップに抑えているのはタイにベースとなるモデルがあったからこそ。
タイヤが265/60R18のホワイトレタータイヤになったが、オフロード、オンロードとも動力性能はほとんど変わらない。
愛知県内では指折りのオフロードコース「さなげアドベンチャーフィールド」の最大20度の急坂やゴロタ石が行く手を阻むコースを走る!!
1600回転で最大トルク40.8kgmを発生する2.4Lディーゼルエンジンのおかげで、2速にしておけば楽々走破していく。
さらに車輪が浮いてしまうようなところでもリアデフロックがあるため、「あれ!?」という間に走りきってしまう。
かっこよくて逞しい、まさに男っぷりを上げたハイラックスだ。
■海外仕様こそハイラックスの主戦場だ
1968年に誕生以来180カ国以上の国や地域で積み上げた累計販売台数は何と1872万台というからカローラやランドクルーザーに勝るとも劣らないトヨタの看板ブランド。
日本仕様はタイ生産だが、南アフリカやアルゼンチンなどでも生産されていて現行モデルは1トンクラスで世界的な大ヒットモデルになっている。
今回はハイラックスの開発陣の粋な計らいで豊田市にある「さなげアドベンチャーフィールド」で海外仕様モデルが試乗できた。
一番の注目は南アフリカ仕様の2.8Lディーゼルに6MTを組み合わせたモデル。
1GD-FTVというエンジン型式からわかるように、プラドに搭載されるエンジンと同タイプで最高出力177ps、最大トルクは42.8kgmとなり、6MTがラインナップされる。
ちなみにプラドのエンジンは最高出力177ps/3400rpmと同じだが、最大トルクは45.9kgm/1600〜2400rpmと強力となる。
エンジンのほかにボディも日本仕様にはないエクストラキャブで、全長は変わらないが、そのぶん荷台が大きく観音開きドアとなる。
オフロードコースということで4L固定での試乗となったが、1速、2速はトルクがありすぎて、3速でようやく走りが落ち着いた。
その3速ではほとんどATのような走りを見せる。1500〜2500回転にアクセルをコントロールしてやれば、モーグルだろうが、急坂だろうが、2トンを超える車重を感じさせない走りを見せる。
フラットダートや草原のような道でアクセル全開にしたらどんなに気持ちいいだろうか? 多少乗り心地が悪くても素直に楽しい。高級感のあるSUVではけっして感じられない奔放さを感じさせてくれた。
もう1台は欧州で販売される2.4Lディーゼルのダブルキャブで日本仕様と大きく変わらないが、こちらも6MTを組み合わせたモデル。
これがまた楽しい。タイトなオフロードコースでは若干持てあまし気味だった2.8Lディーゼルに比べると、ちょうどいいトルク感で凹凸の激しい路面でも吸い付くようにトラクションがかかる。
6ATでは2速で走るところを3速固定で走ることができ、そのぶん軽快だ。
ディーゼルはMTで乗るのがやっぱり楽しい! こんな爽快感を味わえるなら日本で販売しないなんてもったいない!
ディーゼル逆風といわれる今だからこそ限定で販売すればいいのにと思う。
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