■ほどよい動力パフォーマンスと、音の演出が加わった加速感が心地よい
加速フィーリングやコーナリングといった動的性能は、非常に好感触だった。RZのシステム出力230kW(前150kW、後80kW)は、bZ4XのAWD(前80kW+後80kW)よりも高く、トヨタ車のBEVのなかでは、現時点で最も高い。
アクセルペダルをちょっと踏めば、トルクが湧き出てくるような電動フィーリングがあるのはもちろんのこと、静かかつ滑らかに走る様子は、他のレクサス車と共通の「落ち着きと安心感」がある。
0~100km加速5.3秒というRZは、眼球が後方に押し込まれるほどの暴力的なBEVのレベルではないが(他にもっと速いBEVはたくさん存在)、電子音で作られた加速サウンドも手伝い、なかなかの迫力があった。
現時点のBEVは、無慈悲に加速度を求めるのか、雰囲気を重視した加速感を追求するのか、現時点は二分している状況だが、後者寄りとしたRZの落としどころは、ちょうどよい塩梅にいるように思う。
加えて、DIRECT4のオン・オフ比較も試させていただいたが(市販車は切り替えできない)、オンにすると、コーナーでの曲がりやすさが段違いで良くなる。地面にへばりついていながらも、くるりと向きを変えられる印象が強い。コンベンショナルなシャシー性能だけでは、あの軽やかなコーナリング性能は再現できない。制御の有難みを感じることができた。
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