【速報】クラウンスポーツ「プロト」に緊急試乗!! 艶やかなスタイルと感情に訴える走りと実力を最速チェック

ハンドリング好きも、きっと満足いく仕上がり

 試乗車として割り当てられたのは、開発中のPHEVのプロトタイプカーそのものだった。艶消しブラックのカラーが激渋だったが、残念ながら、現時点は商品化する計画はないそう(ただ、「欲しい!!」といい続ければ、特別仕様車などで用意してくれるのが昨今のトヨタだ)。

 トヨタのPHEVには、「EVモード」と「ハイブリッドモード」があるが、今回はハイブリッドモードのみの試乗で、モードは「ノーマル」と「スポーツ」だ(ECOなどの他のモードはまだ開発中とのこと。そんなタイミングで乗らせていただけたことに驚き)。ちなみに、開発陣が「もっともエモーショナルで自信がある」とするのは「EVモード+スポーツ」設定だという。残念ながら今回は試せなかったので、今後の試乗会に期待したい。

 走りはじめてまず感じたのは、回頭性の良さとコーナーでの安定感の高さだ。クロスオーバーの走りとは根本的に異なり、スポーツでは動き出しの遅れが小さくなっている印象を受ける。微舵でも大操舵でも、フロントがくるっと回り込み、リアもそれにすぐさま追従するので、実に軽快なハンドリングだ。

 リアサスにはクロスオーバーと同じく、DRS(後輪操舵)が備わっているというが、それ以上に、ホイールベースマイナス80mmと、リアオーバーハング短縮の恩恵が大きい。クロスオーバーよりも、ハンドル角度は2割近く少なくても軽やかにコーナーを超える感覚は、非常に心地よく、ハンドリング好きもきっと満足する仕上がりぶりだ。

 乗り心地の良さにも驚かされた。「路面がきれいなサーキット走行で、乗り心地の良さがわかるのか」と思われるかもしれないが、高めの速度が出せるサーキットで、あえて縁石に乗ってみると、バネ下のバタつきがむしろ分かりやすく感じられる。新型クラウンスポーツは、タイヤが跳ね挙げられたときのサスのいなし具合が絶妙にうまかった。

回頭性の良さとコーナーでの安定感の高さが、クラウンスポーツの魅力!!  試乗したPHEVにはパドルシフトもついており、シフトチェンジで遊ぶ醍醐味も味わえた
回頭性の良さとコーナーでの安定感の高さが、クラウンスポーツの魅力!!  試乗したPHEVにはパドルシフトもついており、シフトチェンジで遊ぶ醍醐味も味わえた

 クロスオーバーRSにも備わっていた可変ダンパーの「AVS」の恩恵も大きいだろうが、ロールやピッチ姿勢を安定させた上で、バネ下からの突き上げを感じない乗り味(ダンパーで減衰特性を上げて姿勢変化を抑制するのがセオリー)は素晴らしいレベルだと感じた。

 古来のスポーツカーのような、「ガチガチ・バキバキに曲げていく体育会系のスポーツ」ではなく、「涼しい顔して何事もスタイリッシュにやりこなす文化系のスポーツテイスト」とでもいうべきか。「スポーツ」という名から想像していた、21インチタイヤのバネ下からの突き上げの事前予測を、いい意味で裏切ってくれた。

 近年のトヨタ車は、大径タイヤ&ホイールを履きこなすための技術が、大幅に進化しているように感じる。この新型クラウンスポーツもその一台で、荒れた路での走行や高速走行など、リアルワールドでの試乗も期待ができる。はやくみなさんにも乗ってほしい。

試乗したブラックのマットカラーは、やるなら特別仕様車で、とのこと。無念!!
試乗したブラックのマットカラーは、やるなら特別仕様車で、とのこと。無念!!

クラウンクロスオーバーよりも絶対に売れる!!

 クロスオーバーRSのハイブリッドターボのパンチのある加速&サウンドもよいパワーユニットだったが、PHEVとスムーズで軽やかなハンドリングを備えたクラウンスポーツは、4台のシリーズの中でも、際立った存在になるはず。

 価格は未発表であったが、筆者予測は、クラウンスポーツハイブリッドはクラウンクロスオーバーと同程度となる435~570万円くらいで、クラウンスポーツPHEVはハリアーPHEV(620万円)とレクサスNX PHEV(725万円)の間となる670万円程度だ。この価格であれば、クラウンクロスオーバーよりも「売れる」のは間違いないのではないだろうか。発売まであと半年、新型クラウンスポーツが世界で称賛される日が楽しみだ。

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