■SUVフラッグシップのエスカレード
最初に乗ったのは、もっとも大きいSUVのエスカレード。目の当たりにすると、そのサイズ感はまるで要塞のよう……。スリーサイズは、全長5400×全幅2065×全高1930mmと、「日本で走らせるには大きすぎるのでは?」と運転する前から不安になるほどのサイズ感です。
ドアを開けると、自動でサイドステップが出てくるので、実は乗り込むのは簡単。運転席に座ると、エクステリアのインパクトに負けないインテリアの豪奢な雰囲気に圧倒されてしまいました。
これまでキャデラックのインテリアは、アメリカ車らしくざっくりとしたデザインや質感だったイメージでしたが、エスカレードのインテリアは、メーターなどがデジタル化されて洗練されているだけではなく、木目調のパネルやシートのキルティングなど細部にわたって作り込まれているなと感じました。
さらに驚いたのが、運転席からでも、2列目や3列目に座っている人とマイクとスピーカーを通して会話できること!そもそも室内の静粛性は圧倒的に高いのですが、外音の大きい高速道路などでも後席とクリアに会話できると、ストレスなくさらに快適にドライブできます。
はじめはその大きさに戸惑いましたが、ドライブするにつれて、スペック上のボディサイズよりも運転しやすいことに気づきました。
高い位置に座っているので、周囲を見渡しやすいし、ボンネットの先も見えるので、車幅感覚が思ったよりも掴みやすいのです。Bピラーはかなり太いので、振り返った時に後方が見づらいのは玉に瑕ですが、前方の視界はとても見やすいことが印象的でした。
そして、何よりもその格式を高めているのが6.2LのV8エンジン! 今となっては絶滅危惧種のようなエンジンですよね。アクセルを踏み込む度にエンジンルームから低い獣の唸り声のようなエンジン音が聞こえてくるのがたまりません……。低速から高速までまんべんなく豊かなトルクが湧いてくるので、ドライブは快適そのものです。
ここまで巨大な体躯ながら、思ったより取り回し性がよかったです。エスカレードはもちろん4WDですが、通常走る時には後輪駆動なので、交差点もコーナリングも気持ちよく走り抜けられます。
路面状況に合わせてダンピングを変化させるマグネティックライドのゆったりした乗り心地も格別。ただ、後席に乗っているスタッフからは「一般道の低中速域では微振動があって、少し不快」という声も。
しかし、高速走行になるとその揺れもおさまり、フラットに走れるようになりました。日常使いよりも長距離移動こそ光るモデルかもしれませんね。
そうこうしていると、群馬県渋川市にある「こもち加生桜並木」に到着しました。桜は散り始めていましたが、気温もあたたかくハラハラ舞う桜の様子はなんとも趣がありました。
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