進境目覚ましい中国のEVだが、前回のBYD SEALに続いて国沢光宏氏が吉利汽車の資本とボルボの技術が入った「ZEEKR」に試乗。さっそくその試乗インプレッションをレポートしてもらった。
文/国沢光宏、写真/TEIN、国沢光宏、ベストカーWeb編集部
■ZEEKRのフラッグシップに試乗!
中国で最新の電気自動車に試乗できた経緯はBYD SEALのレポートを参照していただければ、と思う。
SEALのほかに用意されていた注目すべき中国車は吉利(ジーリー)汽車の『ZEEKR 001』。なかなか興味深い生い立ちのクルマである。
吉利汽車は中国政府と関係のない民族系の自動車メーカーで、10年くらい前までは日欧メーカーのパクリ車を作っていた。
上々のクォリティだったため、売れゆきを伸ばす。折しも経営不振に陥ったフォードがボルボを手放した。これを買い取ったのが吉利汽車である。そしてボルボの技術を投じた『ポールスター』と『ZEEKR』を立ち上げた。
今回試乗したのはZEEKRのフラッグシップモデルという位置づけ。現在中国で販売している中国ブランドの電気自動車ではトップ級だと思っていい。
■世界的にも最大級ボディのZEEKR 001
ZEEKRの特徴は日本製部品をたくさん使っていること。日本製部品の高いクォリティを認識しているボルボの技術者が推奨したのだろう。電気自動車の基幹部品であるモーターと駆動系が一体になっている「eアクスル」は日本電産製。
オーディオなどもヤマハを採用している。デザインは写真を見ていただければわかるとおり、ポルシェパナメーラ風でスタイリッシュ。
ボディサイズも全長4970×全幅1999×全高1560mmと大きい。パナメーラやテスラモデルSと同等です。世界的に見ても最大級の電気自動車と言ってよかろう。
試乗車は前後にモーターを使うAWDで最高出力544ps。0-100km/h加速3.8秒はひと回り小型のBYD SEALと同じ。100 kWhの3元系リチウム電池を搭載し、WLTC高速距離は616kmになる。
驚かされたのは価格。日本円換算で600万円! ひと回り小型で電池搭載量の少ないテスラモデルYが620万円だから超割安です。果たしてクルマの仕上がりやいかに?
ダメ出しする気分100%で乗り込むと、あらま。考えてみたらクルマを作っているの、ボルボの技術者ですよ。そいつに日米欧の自動車メーカーからヘッドハンティングされた技術者もたくさんいると聞いた。
インテリアからして1000万円級のテスラモデルSに勝るとも劣らない。シートの厚みや素材の質感もパナメーラから乗り替えたって不満なし。というか日本でこのクルマに乗ったら「いいね!」するしかないと思う。
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