■トランクはダントツの使い勝手!! 座り心地もレベルアップ
シートの座り心地は、前席は肩の周辺が少し離れやすい印象だが、背中から大腿部に掛けて確実に支える。
腰を包む形状で座り心地は快適だ。後席は体と座面の接する部分が少し短く感じるが、腰の支え方は良い。
先代型は体が座面に沈みにくく、サポート性もいま一歩だったが、新型の後席はシート内部のウレタンなどを見直して柔軟に仕上げた。後席の快適性は新型のメリットだ。
後席のスペースは先代型と同様に広い。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席のスライド位置を後端に寄せると、乗員の膝先空間は握りコブシ4つ半に広がる。
ただしこの状態では、後席に座る乗員の頭部とリヤゲートが接近して、追突された時の不安が生じる。
膝先空間が握りコブシ2つ分になるように、スライド位置を前側に寄せると良い。
そうすればリヤゲートと頭部の間に余裕が生まれ、後席の後ろ側の荷室も広がる。後席に座る乗員の足が前席の下に収まりやすいこともあり、前側にスライドさせても足元空間は窮屈にならない。
後席は先代型と同様、ワンタッチで格納できて広い荷室になる。路面からリヤゲート開口下端部までの高さは470mmに抑えられ、タントの580mm、デリカミニの590mmに比べて低い。
自転車を積む時も前輪を大きく持ち上げる必要はない。新型では広げた荷室の床が部分的に窪んでいるから、そこに自転車の車輪を通すと積載しやすい。積んでいる自転車が走行中に倒れにくい工夫も施した。
■1Lエンジン並の力持ち!! 街乗りメインならターボいらず!?
動力性能は先代型と基本的に同じだが、CVT(無段変速AT)を含めて細かな設定を変更した。
そのために特にノーマルエンジン車は、街中を走行中、アクセルペダルを戻したり緩く踏み増した時の加減速が滑らかになった。
ターボも予想以上に加速力が高まる過給器の特性を改善して、1L前後のエンジンを積んでいる感覚で運転できる。ターボはノーマルエンジンに比べて大幅にパワフルだ。
走行安定性も改善された。ステアリングホイールを回し始めた時から、車両の進行方向が正確に変わる。
先代型で車線変更を行うと、最終的に直進状態に戻る時の揺り返しが気になったが、新型はそこも改めた。
乗り心地は先代型も快適だったが、新型では、路上の細かなデコボコを先代型よりも伝えにくい。段差を乗り越えた時の粗さも払拭させた。
そして14インチタイヤを装着するノーマルエンジンと15インチのターボでは、足まわりに使われるショックアブソーバーの減衰力が異なる。14インチタイヤは乗り心地が柔軟だ。
15インチは減衰力を高めたから、高速道路などの直進安定性が優れ、峠道などのカーブも曲がりやすい。
14インチはノーマルエンジンとの組み合わせとあって、街中の移動に重点が置かれ、15インチはターボだから高速道路や登り坂を走る長距離移動の用途に合わせた。グレードもエンジンの性格を考慮して選びたい。
■買い得感はノーマルにアリ!? ベースグレードでも文句ナシ
バリエーションは標準ボディと上級のカスタムに大別され、ターボは後者に設定される。
機能や装備の割に価格を抑えた買い得グレードは標準ボディ(164万8900円/2WD)だ。
衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能、サイド&カーテンエアバッグ、LEDヘッドランプ、左側スライドドアの電動開閉機能など、必要な実用装備を標準装着して価格を160万円台に抑えた。
セットオプション(10万100円)で、右側スライドドアの電動開閉機能、前席シートヒーター、後席センターアームレストなどを加えると、快適性をさらに向上させられる。
ノーマルエンジンのカスタム(184万9100円/2WD)は、標準ボディに比べて価格が20万200円高く、フロントマスクのデザインが変わり、テールゲートスポイラー、アルミホイール、前席シートヒーターなども加わる。
標準ボディほど買い得ではないが、おおむね価格アップに見合う装備が採用される。
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