■「これってランクル70にも使えますよね?」
車両を見渡して気になったのが水素充填口の下にあるアドブルーの注入口。元々がディーゼル車だったからその名残かと思いきや、今回の水素エンジンでも実はアドブルーは機能させているという。
というのも水素エンジンは燃焼させてCO2が出ることはないがNOx(窒素酸化物)は発生してしまう。こうなると排気ガスからNOxを除去することが必要になるが、それがアドブルーの役割となる。
これはディーゼル車でもお馴染みの機構だが、実はアドブルーを使用するディーゼル車は水素エンジンへの転換も早いという言い方もできる。
アドブルータンクを生かしたまま、エンジンを換装すれば水素エンジンは物理的に搭載することができるのだ。そうなるとランクル70にだって使えるんじゃないだろうか。トヨタの開発陣に聞いてみた。
「もちろん可能です。アドブルーを使ったディーゼルエンジンの横展開として、今回の水素エンジンシステムを用意することなどは可能性としては考え得ることですよ」とのこと。
色々な可能性を秘めた水素エンジン。FCVだけではなく内燃機関の究極の選択肢として今後の発展が楽しみだ。
【画像ギャラリー】ランクル70も水素化できちゃうぞ!! ハイエース水素エンジンに初試乗!! ディーゼル車の水素エンジン換装が最高なワケ(5枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方カーボンニュートラルの切り札、そしてエネルギーの貯蔵を考えると水素の活用こそが絶対唯一のソリューションだ。既に水素スタンドの拡充もかなり進んでおり日常的に使う分には電気自動車よりも便利でしかも信頼性が高い。水素を動力源とする車両も買いやすい価格で出回っているのも見逃せないポイントだ。個人的な予想だが10年後には自家用車でも5割は水素を使っていることだろう。
水素インフラが今後整備されてくれば、将来有望なのはFCVよりも水素エンジンのほうかもしれないなあ。
内燃機関の構造そのものはほとんど変えずに、燃料供給部分を調整するだけでいいはずだから、従来の技術もそのまま活かせるし。
これもまた「マルチパスウェイ戦略」の一環と言えるな。BEVシフトに傾こうとする一部世間にカウンターパンチを食らわすトヨタの痛快な一撃!