■1.8Lディーゼルは存在感が希薄に
逆に、従来型の2.2Lディーゼルと比較されて割りを食ったのが1.8Lディーゼルだ。
116ps/27.5kgmの1.8Dと175ps/42.8kgmの2.2Dを比べるのは気の毒だが、新型の1.8Lディーゼルは2Lガソリンより27万円高く、従来型の2.2Dに迫る価格。
パワフルな2.2Dと比べると1.8Dのドライバビリティは「それなり」だし、ターボラグも小排気量シングルターボゆえのハンデがある。かつてフラッグシップだったディーゼルが、SKYACTIV-Xの登場で脇役に格下げされたのがちと残念だ。
もうひとつ、大いに注目していたのが操安性/乗り心地などのシャシー性能だが、自然な操舵フィールやスムーズなロール感など、基本的な素性のよさは随所に感じられるものの、結論を出すには前述のとおり材料不足。
200万~300万円クラスのCセグセダンとしては、かなり偏差値が高い印象はあるが、チョイ乗り一発で魅了されるようなインパクトがあったかというと、そこまでの驚きはない。
新しいマツダ3のサスペンション形式は前ストラット/後トーションビーム(TBA)で、リアサスがマルチリンクだったアクセラからみると後退している。
足回りはスペックよりセッティングという説は重々承知しているつもりだが、個人的にはちょっと物足りない気持ちを否めない。
この件については、以前から操安性開発のキーマンに率直な懸念を伝えていたのだが、マツダ側からは「歩くように走る」というコンセプトには入力点の少ないTBAはむしろ扱いやすい、という回答をもらっていた。
この懸案にボクなりの結論を出すためには、やはりもっとさまざまな速度レンジで、もっとさまざまな路面を走ってみるしかない。
引っ張るようで申し訳ないですが、マツダ3のシャシー性能がぼくの期待値に届いているか否か、結論は一般公道でじっくりと試乗したあとでお伝えしたいと思いまする。
■スペックならSKYACTIV-Xが当然だが、価格を考えるとガソリン2Lか
頂点に位置するSKYACTIV-Xは180ps/22.8kgmを発揮し、燃費は23.2km/Lをマークする(欧州仕様NEDC燃費)。
このスペックは大いに魅力的で早く試乗してみたいものだが、価格は1.8Dの40万円高(314万円~)。なかなか悩ましい値付けではある。
そうなると、同じガソリンでもコンベンショナルな2L版が最もコスパがよさそう。燃費では15.6km/L(WLTCモード)とXに敵わないが、156ps/20.3kgmのパフォーマンスはさほどヒケを取らない数字。
試乗した印象も、予想以上にトルクフルで好ましいものだった。この下の1.5Lガソリンは111ps/14.9kgm。今回は試乗できなかったが、さすがにカツカツと思われる。
中途半端な存在となってしまったのが1.8Lディーゼル。116ps/27.5kgmで、ガソリン2Lの27万円高(274万円~)はキツイ。
【1.5ガソリン/ファストバック】 価格:218万1000~250万6080円
【2.0ガソリン/ファストバック】 価格:247万~271万9200円(7月18日発売)
【2.0ガソリン/ セダン】 価格:247万~264万9000円(7月18日発売)
【1.8ディーゼル/ファストバック】 価格:274万~322万1400円
【1.8ディーゼル/セダン】 価格:274万~315万1200円
【2.0 SKYACTIV-X/ファストバック】 価格:314万~362万1400円(10月発売予定)
【2.0 SKYACTIV-X/セダン】 価格:314万~355万1200円(10月発売予定)
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