■乗り心地チェック! ミニバンだから2列目3列目の乗り心地をチェック
3台で最も乗り心地に優れるのはプレマシーだ。
プレマシーはフル乗車時に掛かる荷重の想定や、「全高の高さによるロールの発生を抑制」といった要件に対応しスプリングが硬くなりがちとなるぶん、乗り心地では不利なミニバンでありながら良質なダンパーの採用や入念なボディ補強などの効果により、3列すべてのシートでしなやかな乗り心地を実現。
乗り心地のよさは路面の悪い道路だとさらに実感できる。タイヤサイズは15インチが標準となっているが、足回りが非常によく動いているのでオプションの16インチ、17インチを選んでも乗り心地が損なわれることはないだろう。
プレマシーに続くのがフリードハイブリッド。フリードハイブリッドもプレマシーほどではないが、足回りがよく動いており、合格点を付けられる乗り心地に仕上がっている。ハイブリッド化による重量増に対応しボディが補強されていることも乗り心地の向上に一役買っている。
ウィッシュは3台のなかでは唯一乗り心地では不利な16インチタイヤを履いていることに加え、ダンパーの動きが渋いこともあり、2台に比べるとしなやかさに欠ける乗り心地となっている。
高速道路の路面の繋ぎ目や舗装が若干悪い程度の道であれば乗り心地の悪さを認識するケースは少ないが、大きな路面のギャップや道路の補修後のようなところに差し掛かると大きな突き上げを感じる。
この傾向はシートが後ろになるほど強い。購入前には乗り心地が納得できるか確認した方がいいだろう。
◎乗り心地チェック採点:プレマシー 8.5点/ウィッシュ 7.5点/フリードHV 8点
(文:永田恵一)
■高速は? 街中は? 実用燃費を徹底テスト
燃費計測はベストカーではお馴染みの、東京都文京区ベストカー→首都高経由で東名御殿場インター→国道138号経由で中央道河口湖インター→中央道、首都高経由でベストカー、という休日のドライブを想定した全長約260kmのコース(高速道路約210km、一般道約50km)で行なった。
燃費トップはフリードハイブリッド。ただし発表されているJC08モード燃費との差が一番大きいことも気になるが、これはモーターのアシストが小さいことや、ハイブリッド化による重量増が90kgと大きく高速道路での燃費が伸び悩んだことが要因だろう。
2番手のウィッシュはエンジンにポンピングロスのないバルブマチックを使う点以外特に目立つメカニズムは使っていないが、唯一のヒンジドアということもあって3台で一番軽い車重を生かし、全区間でフリードハイブリッドに肉薄する燃費を記録。
アイドリングストップすらなしでこの燃費を記録したことは高く評価できる。ただし燃費を重視した副作用なのか、アクセルレスポンスに代表されるドライバリティはいま一つだ。
プレマシーは3ナンバーボディに加えスライドドアであるため、車重が3台で一番重いこともあり3番手となった。
しかし、トルクフルな2Lエンジンを搭載することや、ウィッシュに比べ車重が120kgも重いなどの不利な要素を考えれば大健闘といえる燃費と評価できる。
(文:永田恵一)
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