■ワタシにもチェックさせてよ 「NEWプレマシー」の○と×
プレマシーはもともと走りのよいミニバンだったが、SKYACTIV Gの搭載でさらに洗練された。
最大トルクは19kgmから19.4kgmに向上し、発生回転数は400回転下がって4100回転になる。実用域の駆動力が高まった。吹き上がりもよく、動力性能に不満はない。
一方、JC08モード燃費は13.6km/Lから16,2km/Lに向上し、ミニバンでは燃費が優れた部類に入る。エコカー減税も75%に達した。
足まわりに大きな変更はないが、現行型は登場した時から走行安定性が良好。操舵感は過敏にならない範囲で小さな舵角から正確に反応し、運転を楽しめる。危険回避時を含めて後輪の接地性も優れ、安心感が高い。
とはいえマイナスポイントもあり、選ぶ時に注意したいのは3列目のシートが窮屈なこと。サイズが小さく、膝の持ち上がった姿勢になり、足元空間も狭めだ。
ミニバンでは背が低いから、3列目を畳んだ時の荷室も広くはない。自転車などの積載には適さない。斜め後方や真後ろの視界がよくないので、縦列駐車などを試乗で試したい。
それでも2列目をベンチ&セパレートの兼用とするなどアレンジは多彩で、スライドドアも備わる。
通常は4名で乗車し、稀に短距離を多人数で移動する使い方に適する。燃費がよく、価格も割安だから背の高いミニバンよりも合理的だ。そしてクルマ好きも納得できる運転感覚が、選ぶ価値を感じさせる。
(文:渡辺陽一郎)
■ズバリ総括! 本当に使えるミニバンとは? 国沢光宏の結論
結論から書けば同じ3列シートのミニバンとはいえ、3車でキャラが大きく違う。
重さと高さと長さを比べるようなことだからして、それぞれ得意分野を持つ。
例えばプレマシーでいえば、スライドドアと走りの質感だ。ステーションワゴンに限りなく近いシルエットを持つミニバンは、基本的に普通と同じタイプのドアとなっている。
ヒンジタイプのドアだってまったく問題ないけれど、チャイルドシートを使ったり、高齢の方を乗せるような時はスライドドアが便利だ。加えて走りの項でも書いたとおり、このカテゴリーで最も気持ちよく走る。
ウィッシュの持ち味は、総合バランスのよさ。身長183cmの私でさえ座れる3列目シートに代表される「使い勝手のよい室内スペース」を確保しながら、流れのよい道なら案外実用燃費よかったりする(アイドルストップが付いていないため信号待ちの多い交通状況だと伸び悩む)。
それでいて1.8Lなので、リーズナブルなプライスを付けられます。クルマ好きとしちゃ少し物足りないものの、だからこそミニバンカテゴリーの売れ筋になっているのだった。
フリードハイブリッドは「ちょうどよい」大きさが好ましい。なんたって5ナンバーサイズで、全長も3車種のなかじゃ圧倒的に短く取り回し良好。
肝心の燃費は、今回のように流れのよい道だと目立たない数値になってしまう。されど様々な条件でテストしたら、やはり優位な数字を出せることだろう。
もちろんプレマシーと同じくスライドドアのメリットも忘れちゃイケナイ。この価格帯のミニバンを考えているなら、ぜひとも「キャラが違う」3車種を乗り比べてみたらいい。やっぱりクルマ選びは「味見」してみましょう。
(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)
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