■さて、マイナーチェンジしたヴェゼルの走りをチェック!
まず試乗したのはe:HEV ZのAWD。試乗コースは雪道やオフロードコースではなく、箱根のワインディングを走った感想となるのであしからず。
ヴェゼルAWDモデルのリア駆動力はもともと高かったが、今回のマイナーチェンジで雨や雪、アイスバーンなどの低ミュー時など滑りやすい路面でのトラクションコントロールのブレーキ介入タイミングを見直すことであらゆる路面でも安心感を追求したという。
パワートレーンは基本的に1.5L、2モーターハイブリッドのe:HEVがメインとなるが、1.5LガソリンもAWDモデルにのみ設定を残している。
天候晴れの箱根のワインディングを走らせた。コーナー手前でのブレーキングでの不安は一切なく、そのまま走っても思い通りにトレースしていってくれるので走りがほんとに楽しい。
コーナー出口でアクセルを踏んで加速していく状況でもグリップの高さを感じさせてくれる。AWDモデルのダンパーやスプリングなどサスペンション回りに変更はないというが、マイナーチェンジ前のAWDと比べると、ハンドリングと乗り心地のバランスがよくなっている。雨天時のコーナリングや雪道など滑りやすい路面でもっと試したかったというのが本音だ。
さて、試乗前の説明会に出て、期待感ワクワクで早く乗りたくなったヴェゼルe:HEV PLaYパッケージ(FF)。説明を聞いていると、マイナーチェンジで「ここまでやるか!」と唸ってしまうほどの改良内容だったからだ。その内容を見ていこう。
バッテリーの使用範囲を約8%拡大し、エネルギーマネージメント制御変更によるEV走行領域の拡大、エンジンのオン/オフ頻度30%低減により、市街地でエンジン使用頻度を低減。
エンジンからハイブリッドモードに切り替わる際のタイムラグを低減し、高速道路やワインディングの勾配変化によるエンジン回転数の変動を抑制。
さらには電動パワーステアリングのソフトを変更し、車両挙動の分かりやすさと安定感を演出。またフロントダンパーの減衰力を緩め、縮み側の減衰力をやや強くし、その一方でリアダンパーの微小入力域の動きをよくしたことで、乗り心地と操縦安定性が向上。
最後は静粛性の向上だ。フードインシュレーターの吸音材容量を約20%アップしたのをはじめ、ダッシュアウターインシュレーターの目付量を約40%アップ、ダッシュインシュレーターをハイブリッドインシュレーターに変更。
さらにルーフライニングのインシュレーター厚2倍にアップ、インパネ統合インシュレーター厚約15%アップ、フロントフロアカーペットにフィルム層追加など、防音材の最適配置や追加で、エンジン始動音低減とロードノイズの静粛性が向上したという。
■あまりのよさに脱帽してしまった!
では実際に走ってみてどうか? 走り出しから違った。市街地で普通にアクセルを踏んで加速していく時のスムーズさにまずは驚く。さらに巡行時、ハイブリッドは、エンジンのオンオフにより切り替えが不快に感じることが多いのだが、それもうまく抑えられている。
コンパクトSUVはホイールベースの短さやコストをかけないサスペンションにより、乗り心地があまりよくないのが普通だが、このヴェゼルe:HEVは、下からコツコツという突き上げもなく、乗り心地は上質。
市街地からワインディングへ登っていく時に、明らかに違うと感じたのはハンドリングのよさと静粛性の高さ。アクセルを踏み込んでいってもリニアに反応するし、コーナ-手前からステアリングを切っていっても思い通りにトレースしていく。さらにSPORTモードに切り替えてアクセルを踏むと応答性が俊敏になるので、走りが実に楽しいのだ。
静粛性については、高い速度域を走行しても、1クラス上の静かさ。これはレーンチェンジ時にアクセルを踏み込んだ際も同じ印象だった。とにかくハイブリッドモードの切り替えがスムーズで、ストレスを感じないので、それに輪をかけて静かだと感じるのかもしれない。
コンパクトなサイズで軽快で運転しやすい、ストレスを感じないスムーズな加速フィール、上質な乗り心地とバランスよく両立させているリニアなハンドリング、1クラス上の静粛性を今回の試乗で感じとることができた。
ビッグマイナーチェンジしたヴェゼルは、よくぞここまでホンダが本気になってやってくれた、と唸るほどで、ライバル車はもうこのレベルには届かないかもしれないと思ったほどだった。
ただ、e:HEV Zの価格が319万8800円というのは納得できるが(ちょっと高いけど)、e:HEV Z PLaYパッケージが355万6300円と諸費用含めると400万円近くになる点が大いに気になる。いっぽう、Xグレードベースのe:HEV X HunTパッケージが299万8600円と300万円切りということにも注目。おススメは一番人気となりそうなe:HEV Zもしくはe:HEV X HunTパッケージになるだろう。
はじめ(登場時)からやってほしかったという意見も聞こえてきそうだが、これは発売から3年経ってわかる、熟成しないとわからない改良ではないだろうか。ぜひ、一度、ディーラーでヴェゼルの試乗車に乗って欲しい。その片鱗をみせてくれるはずだ。
コメント
コメントの使い方アウディQ3が古くなったので乗り換えを考え、この車試乗しにいったがドア開閉の高級感、室内の質感、空間作り、0キロからレーンアシストなど、これ海外のメーカーに作らしたら500は行くよ