未来的なスタイリングと電動駆動のフィーリングが好評のe-POWER搭載で大人気のSUV日産キックス。今回ベストカーでは、氷上テストの聖地・長野県女神湖で日産キックスを走らせた。
雪や氷には4WDが絶対! と思っていたが、意外やe-POWERのキックスは安定感バツグン、想像以上の走りを見せたのだ!
文/塩見 智、写真/西尾タクト【PR】
初出:『ベストカー』 2021年3月26日号
■安心・安全で面白い日産キックス!
日産キックスを氷の上で走らせることができるというので、長野県立科町の女神湖へ向かった。女神湖は湖面標高が1540mと高いため、冬季は全面凍結する。おかげでツルツルの湖面をクルマで走行することができるのだ!
東京から長野へ。このクルマで高速道路を走行するのにアレを使わない手はない。運転支援システムのプロパイロットだ。ステアリングホイールの青いスイッチを押し、次に速度セットのスイッチを押す。
この2アクションで作動する。設定速度を維持し、先行車両があれば一定の車間距離を保って追従してくれる。同時に車両が車線の中央を維持して走行するようドライバーのステアリング操作をアシストしてくれる。
運転支援であって自動運転ではないので任せっきりにはできないが、これがなんとも楽ちんなのだ。長時間の運転となると誰しも100%の集中力を維持することはできない。支援システムの手助けを得ながら運転できることで余裕が生まれ、疲労を減らせる。
■繊細なアクセル操作にクルマがしっかり反応
到着後すぐに氷上へ。滑る〜。歩くのも苦労するほどツルツルなので、舗装路の感覚のままアクセルペダルを踏めば容易にトラクションコントロールが作動し、ステアリングをラフに切るとクルマは思い通りに曲がらない。こりゃいかんと慎重度MAXの操作を心がける。
キックス自慢のe-POWERはモーター駆動のため、繊細なアクセル操作に対し忠実に、過不足なく反応してくれる。これはエンジン駆動車には難しい。
その反応の鋭さ、正確さは低ミュー路で大いに役立ち、運転がうまくなったように感じる。4WDでないと話にならないと考える寒い地域の方々にも一度e-POWERのキックスを試してみてほしい。
また減速時には加速時以上にありがたみを感じる。回生ブレーキによってアクセルオフで大きな減速が得られ、ブレーキペダルを使わなくてもスムーズに車速を落とすことができるのだ。
人間、滑りやすい路面で速度を出し過ぎたら反射的にブレーキペダルを強く踏んでしまいがちだが、滑りやすい路面になればなるほどそれはNG行為だ。
現代のクルマにはABSが備わるが、ABSが作動するのはわずかにスリップしてから。凍った路面ではそのわずかなスリップが命取りになることもある。
e-POWER車の回生ブレーキによる減速はスムーズで、タイヤのグリップを限界まで使い切りながら減速することができる。過信は禁物だが、滑りやすい路面に慣れたベテランドライバーの絶妙な減速技術をアクセルオフだけで再現できるのだ。
この日試乗した読者の皆さんも「スムーズな加減速に感心した」「とにかく運転しやすい」「すごく静か」とe-POWERを採用したキックスを高く評価していた。
キックスはワングレードで275万9900円(試乗車はツートーンインテリアエディションで286万9900円)。コンパクトSUVの価格としては高いようにも思えるが、プロパイロットのみならず、車線逸脱防止支援システム、踏み間違い衝突防止アシストなどの先進安全装備が標準装備で全車e-POWER。
実は相当競争力のある価格だと納得できる。
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