品質や耐久性の高さから、世界中で高い人気を誇る日本車。トラックの世界でも、日本車の人気は健在だ。日本のトラックは、海の向こうでどんな活躍をしているのか? 今回は欧米を中心に、世界のさまざまな地域で活躍する日本のトラックベースの特装車を見ていこう。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
※2024年6月発売「フルロード」VOL.53より
北米
ボンネット型トラックの本場・北米。コンパクトなキャブオーバー型トラックである日本車に出番はない……と思いきや、日本車ベースの特装車は意外と多い。
シャシーはいすゞエルフなどの小型クラスが中心で、市街地配送用のバン型車のほか、ダンプ、塵芥車、一台積み車両運搬車など、さまざまな特装車のベース車両として活躍している。
キャブは日本で言うワイドキャブが標準的で、キャブ幅段差規制(日本では安全のためキャブと荷台の幅の段差を100mm以下にしなくてはならない)が存在しないことから、幅広いボディを架装するケースも多い。サイドバンパーやフェンダーの装着義務もないため、見た目は日本よりもワイルドだ。
ヨーロッパ
現地メーカーが強いヨーロッパ市場だが、車両総重量3.5〜8.5トンの小型クラスでは、三菱ふそうキャンター、いすゞエルフといった日本の小型トラックをベースとする特装車が活躍している。
また、一部の国では車両総重量8.5〜16トンの中型クラスでも日本車が活躍。安くて丈夫で燃費がいい日本車は、競合メーカーひしめくヨーロッパでも魅力満載なのだ。
ボディの種類はバン型車、ダンプ、高所作業車など基本的に日本と同じ。ただし、構造やメカニズムは大きく異なる場合が多く、文化の違いが垣間見える。ボディのスタイリングやカラーリングも、どこか垢抜けている印象だ。
オーストラリア
アメリカ車、ヨーロッパ車、そして日本車が普及しているユニークな市場を持つのがオーストラリア。日本車はその中でも一番売れている存在で、小型〜大型まで、幅広いトラックが展開されている。
ちなみに、非アジア圏で日本の大型トラックが広く普及しているのはこのオーストラリアとニュージーランドのみ。この2国は、世界的にもかなりユニークな市場であると言えるだろう。
独自の車両法規に合わせるため、日本車でありながら日本国内に存在しない車型が存在するのも興味深いところ。ボディやトレーラの構造、メカニズムも欧米式で、走る姿は北米よりもワイルドだ。
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