eスクーターからBEVセミトラクタまで! アマゾンが世界で運用中の電動車両ラインナップを公開!!

eスクーターからBEVセミトラクタまで! アマゾンが世界で運用中の電動車両ラインナップを公開!!

 インターネットショッピング大手のアマゾンは自社配送網での荷物の配達も行なっており、今や世界最大級の運送会社でもある。当然多くの車両を保有しており、中にはアマゾン専用車として開発されたバッテリーEVもある。

 米アマゾンが配送の脱炭素化に向けて世界で活躍している、同社の電動車両ラインナップを紹介している。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Amazon.com, Inc.

ネットゼロに向けて充電完了?

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メルセデスベンツ・トラックス(ダイムラートラックグループ)の長距離輸送用フラッグシップBEVトラック「eアクトロス600」

 インターネット通販などを手掛ける米国の Amazon.com, Inc(アマゾン)は、2040年までにカーボン排出の「ネットゼロ」を達成するという目標を掲げており、そのために事業の変革を続けている。

 例えばデータセンター用の安全な原子力発電への投資、同社施設での炭素排出量の少ないエンジニアドウッドの採用、梱包材の削減や素材のリサイクルなどの取り組みもその一環だ。

 いっぽう、デリバリーサービスプロバイダーによる自社配送網の強化を進めているアマゾンは今や世界最大級の運送会社となっており、世界各地で多数の配送車を保有している。こうした配送網からの排出をできるだけ減らすため、各国・各都市ごとにさまざまな電気自動車が導入されている。

 これらの車両は、導入される地域に合わせてそれぞれ独自の外観とスタイルを持つが、その「使命」は共通しており、掃除機からシャンプーまでアマゾンのフルフィルメントネットワークを通じて、商品が顧客に届けられるまでの排出ガスと騒音を削減することだ。

 もちろん、それぞれの車両はメーカーやモデルにより特徴が異なっている。アマゾンは事業全体に渡って地域や路線に固有のニーズを満たすため、慎重にメーカー/モデルを選択しているという。

 その結果、カーゴバイクからセミトレーラけん引するトラクタまで、アマゾンの配送ネットワークでは様々な電動車両が活躍するようになった。2025年3月12日、アマゾンはそのラインナップの一部を公開した。

アマゾンが世界で運用する商用EV

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欧州では都市部でのディーゼル車の乗り入れ規制もあり、「ラストマイル」配送でカーゴバイクが重要になってきている

電動カーゴバイク
 カーゴバイクは荷台の付いたバイクで、三輪や四輪でもカーゴバイクと呼ぶ。特に住宅が密集した都市での配達に最適で、道路の渋滞緩和などの効果も期待できるとか。アマゾンは2017年に電動カーゴバイクの試験を始め、今では米国のニューヨーク市などで本格運用が始まっている。欧州ではこうした小型モビリティで荷捌きが可能な「マイクロモビリティハブ」を60か所以上に開設したそうだ。

eスクーター
 世界最大の二輪車市場であるインドは二輪車文化が深く根付いている。インドにおけるアマゾンの配送は、実に80%以上が二輪車で行なわれるといい、電動スクーターが活躍する。混雑した道路でもスムーズに移動でき駐車場所を選ばないので、小さな荷物を運ぶにはコスト効率が良い。

電動三輪トラック
 貨物用の箱(バン)を架装した三輪電気自動車。日本でもかつては「オート三輪」と呼ばれる貨物用の三輪自動車が普及していたが、インドなど一部の国では今も三輪トラックが大きな市場を形成している。アマゾンはメーカーと協力して内燃機関の四輪車に匹敵する能力を持つ電動三輪トラックを開発した。

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リビアンとアマゾンが共同で設計した電動デリバリーバン

電動デリバリーバン
 アマゾンは電気自動車メーカーのリビアン(米国)と提携しており、2019年に同社に出資するとともに配達用のデリバリーバン10万台を発注している。共同で設計した電動デリバリーバンは、導入までがわずか3年弱というスピードで開発された。なお、リビアンは最近、アマゾン以外の顧客にも電動デリバリーバンの販売を開始すると発表している。

中・小型EVトラック
 段ボールに入った小口貨物はともかく、冷蔵庫などの大型家電を配送するには、やはりトラックが必要になる。こうした大きな貨物の配達など、汎用性に優れた中・小型EVトラックをアマゾンは世界中で導入しており、ドライバーも快適で静かな乗り心地を高く評価しているという。

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米国では「ボルボVNR」セミトラクタを50台導入。中距離~地場輸送用の大型車で、主に港湾からのファーストマイル/ミドルマイル輸送を担う

大型EVトラック・トラクタ
 配送網は物流施設から玄関先までの「ラストマイル」だけでは成立しない。アマゾンの拠点や港湾等の物流施設を結ぶ路線では、大型トラックやセミトレーラを連結した大型トラクタが活躍する。米国では地場輸送用の「ボルボVNRエレクトリック」が導入されており、港湾施設などからの「ファーストマイル」および「ミドルマイル」輸送を担っている。最近、アマゾンは欧州でメルセデス・ベンツ「eアクトロス600」を200台以上発注したと発表しており、これにより物流拠点間の長距離輸送も電動化される見込みだ。

【画像ギャラリー】世界で活躍中! アマゾンの電動配送車を画像でチェック!!(24枚)画像ギャラリー

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