物流を成長産業に! 経団連が「2030年に向けた物流のあり方」を提言

トレーラ輸送への転換を

 日本国内では貨物の90%をトラックが運んでいるが、単車トラックによる輸送が多く、長距離輸送ですら「低床4軸」による単車輸送が行なわれる。これは国際的にはかなり異例のことで、欧米を始め主要国のほとんどはトレーラを使用した大量輸送により効率化を進めている。

 ダブル連結トラックなど国内でも大量輸送を目指す動きはあるものの、制度や手続き、道路・インフラ・車両規格など複合的な問題からトレーラの活用が進んでいない。

 トレーラ化はモーダルシフトにおいても重要で、例えば船舶(内航船)を利用する場合、単車では乗船中のドライバーが拘束されるか、トラックだけを船に載せて別のドライバーによる「乗り回し」となる。

日本のトラック輸送において最大の輸送量を実現する連結全長25mのダブル連結トラック(フルトーレラ)
日本のトラック輸送において最大の輸送量を実現する連結全長25mのダブル連結トラック(フルトーレラ)

 シャシーを切り離せるトレーラ輸送なら乗船中の拘束も乗り回しもない。単車トラックからの転換を促すため、シャーシの増加に向けた補助金、シャーシやトラクタヘッドの規格化、特車申請・連結申請の更なる簡素化・迅速化などの施策が求められる。

 モーダルシフトの推進といっても、各輸送モードの結節点をつなぐ重要な役割を果たしているのがトラックだ。

 新たなモーダルシフトを進める上では、トラックとその他の輸送モードを組み合わせた「モーダルコンビネーション」として最適化を図ることが不可欠とされ、他の輸送モードを活用するためにトラック輸送は安定していなければならない。ドライバー1人当たりの輸送力を向上する側面からもトレーラの活用は重要になる。

物流DXと災害時の輸送力確保

 物流のDX(デジタル化)に期待がかかるいっぽう、荷主ごとに複数のシステムを使い分ける必要があり、かえってトラックドライバーの負担を増やしているという指摘もある(多画面化問題)。システム同士の連携を図るなど、これを解消するための取り組みが必要だ。

 貨物マッチングによる共同輸配送も効率化には有効だが、物流単位の標準化(パレットやカゴ台車など)に加えて、貨物、ルート、車両台数、運賃等のデータを突き合わせる必要がある。

 こうしたデータの共有には競争上の懸念があり、カルテルに抵触する可能性を指摘された事業者も存在する。競争制限にならないデータ共有のあり方について、具体的事例を示したガイドラインが求められている。

 トラックドライバーが苦労していることの一つに「軒先情報」の確保があげられる(軒先情報とは、配達先の受付時間や利用可能なバース数、駐車場所や待機スペースなど、荷役時に必要となる情報のこと)。

 大型車やトレーラは駐車できる場所も限られ、こうした情報を事前に把握できればドライバーの負担は大きく軽減される。行政等がDXを通じて軒先情報を整理・公開することも持続可能な物流の確保につながるという。

 また、激甚化する災害において輸送力の確保は生命にかかわる。現在、輸送安全規則により事業用トラックの運転者は常時選任が義務付けられ、ドライバーが単身で被災地に入っても、現地事業者のトラックを運転することはできない。

 被災地支援のトラックドライバーは、自分のトラックを運転して現地に向かうことを余儀なくされ、物資もトラックもドライバーもそこにあるのに、被災者に届けられないという事態が発生し得る。

 経団連は有事においては一次的に常時選任義務の適用を除外する仕組みを設けるなど、迅速な緊急物資の輸送ニーズに対応することも提言している。

【画像ギャラリー】経団連が提案する成長産業を目指した物流のあり方(4枚)画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

ハリアー現行型で終了か!? 「ベストカー 7月10日号発売!」

ハリアー現行型で終了か!? 「ベストカー 7月10日号発売!」

ベストカー 7.10号 定価 630円 (税込み)  ついこの間、華のゴールデンウィークが…