車線内で自動停止するEDSSがスゴい!
もうひとつのテスト体験は、EDSSこと「ドライバー異常時対応システム」だ。運転中の体調急変が起きた場合、ドライバー自身によるEDSSボタン押下げでの手動作動や、ドライバーステータスモニター(DSM)と車両挙動からドライバー異常をクルマが検知して自動作動する。なお、バスの場合は乗客が操作できる非常スイッチも装備する。
EDSSも日野が2018年および2019年(DSM自動検知)に世界で初めて実用化してセレガに搭載、2023年にはLKA(車線維持支援システム)と連携させた車線内停止型EDSSへ進化してプロフィアに初めて搭載し、2024年に従来フェイス最終型のセレガにも適用した。体験に用いられたのは今回の大幅改良モデルである。
その自動作動は、まず車線を維持しながら軽くブレーキを掛け、これに反応がない状況だとさらにブレーキランプの点滅とハザードランプ、クラクションを作動させつつ減速し、車線内で停止させる。この場合の自動ブレーキの強さ(減速度)は国交省の「EDSSガイドライン」で規定されており、後続車へ影響を及ぼさないよう速度を落とすため、AEBSよりもマイルドな減速度(全車速アダプティブクルーズコントロールの最大減速度に相当)が規定されている。ただしAEBSの作動条件が同時に揃う場合は、AEBSを優先させる規定にもなっている。
EDSS体験では走行中、日野の実験ドライバーの演技(上体の姿勢を崩してみせる)でDSMが異常を検知、さらに右方向へ車線を逸脱する直前にLKAが機能してステアリングを左方向へ修正し、現在車線内で自動停止させた。クルマはやや路肩側へ向いて斜めに停まった形であったが、全長12m×全幅2.5mというサイズで車両総重量が14~16トンにも及ぶ大型観光バスを車線内にきっちり収めて停車させているのは、率直にすごいと感じた。
また、緊急自動ブレーキは確かにPCSほどではないものの、それなりの減速度が出てはいるので、観光バスや高速バスの乗車時には、乗客にもシートベルト着用義務があることを思い出してほしいとも思う。
実はこの実験中、DSMかEDSSユニットのどちらかが演技を見破った(?)らしくシステムが不作動となるハプニングがあった。DSM自動検知の実用化当時(2019年)のEDSS体験会では起きなかったので、画像認識とAIを用いた最新技術ゆえの難しさを垣間見た思いだ。もっともトラックドライバー、バスドライバーにとっては最終防衛ラインとなりうるシステムだけに、今後もしっかり育てていってほしいと願うところである。
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