新明和工業の大型ダンプトラック用オプション装備「自重計機能付き積載量計」は、積み込み作業中に現在の積載量をリアルタイムに計量し、車内外のモニターに表示するもの。AI技術の活用で「低コスト」と「高精度な計量」を両立しているのが特徴で、近年、先進的なユーザーを中心に導入が進んでいるという。
関西地区でいち早く同装置を導入した、有限会社ヨシケンの活用事例をレポートした。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
条件を満たせば誤差プラスマイナス1%で計量可能
自重計機能付き積載量計は、「コンプライアンスを遵守し、なおかつダンプの積載能力を最大限活用したい」というダンプユーザーのニーズに応えて開発されたもの。新明和工業では、早期の市場浸透を図るべく、従来の自重計以上に高精度な積載量計を、できる限り安価に実現することに力を入れて開発を進めたという。
最大のポイントはAI技術を用いる点だ。同装置が採用する圧力センサー方式を用いた計量方式は低コスト化に寄与する一方、車両姿勢の変化による圧力変動の影響で誤差が発生しやすい。そこで同装置はAIを活用してその誤差を補正。これにより低コスト化と高精度な計量を両立させている。
同社によると、条件を満たした場合の計量精度は誤差がわずかプラスマイナス1%以内に収まるというから驚きである。
計量方法はシンプルで、ある程度の荷を積み込んだら荷台を約5cm持ち上げて「計量姿勢」をとり、操作ボタンを押すだけ。あとは装置が自動で計量し、現在の積載量を車内外の専用モニターにリアルタイムに表示してくれる。
ちなみに誤差プラスマイナス1%以内での計量は、路面の縦断勾配3%未満、横断勾配2%未満、積載量8〜11トン未満、かつ積み荷が平らな状態で行なうことが必要。ただしAIによる補正機能により、多少の凸凹路面であっても高い精度での計量が可能だ。
高い計量精度が超軽量ダンプの積載能力を引き出す
そんな自重計機能付き積載量計を関西地区でいち早く導入したのが、大阪府箕面市の有限会社ヨシケン(吉廣大介代表取締役)だ。同社は汚染土壌浄化事業を行なう京都のチョウビ工業の依頼を受け、各地の建設現場〜チョウビ工業の処理工場間で大型ダンプによる汚染土壌の運搬などを行なっている。
同社では、ダンプの運搬効率を上げることで収益性を高め、ドライバーの給与アップや福利厚生を充実させる取り組みに力を入れており、そのなかで新明和工業と積載量を追求した「超軽量ダンプ」を共同開発。最新世代の超軽量ダンプはGVW20トン級ショートダンプでは異例の最大積載量10100kgを誇る。
同社が出入りする建設現場は遵法意識が非常に高く、台貫がないため、あらかじめ少なく積むのが慣習化。積み込み後、処理場の台貫で計量すると7〜8トンしか積まれていないことも多く、超軽量ダンプの積載能力を最大限活用することができずにいた。
そこで新明和工業に相談し、コンプライアンスを遵守しつつ積載能力を最大限に活用するべく、自重計機能付き積載量計を導入することにしたのだという。

