全日本トラック協会が主催する「全国トラックドライバーコンテスト」が10月21日・22日の2日間にわたり、茨城県ひたちなか市の自動車安全運転センターで開催された。
今年で第55回となるトラックドライバーコンテスト。超難関ともいえる競技に挑んだ選手の勇姿をお届けしていこう。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
都道府県代表が出場する全国大会
全日本トラック協会が主催する全国トラックドライバーコンテストは、プロとしての誇りと安全意識の醸成を目的に、事業用トラックドライバーによる高度な運転技能と、法令や車両構造などの専門的な知識を競う大会である。
全国大会へは、各都道府県トラック協会が行なう都道府県大会で県代表として選抜したトラックドライバー1名(各部門ごとに1名)が出場できる。
前提となる出場資格として、過去3年間人身事故がなく過去1年間無事故・無違反であることが条件。また基本的には過去の部門優勝者や、各部門を通じてすでに2回出場している者は出場できない。
今回、全国大会へ出場したトラックドライバーは、4トン部門が43名、11トン部門が43名、トレーラ部門が31名、女性部門が22名、総勢139名となった。
ちなみに都道府県大会にエントリーしたトラックドライバーは1125名で、前年の約1000名から大きく増加。参加者数は新型コロナ蔓延前近くまで回復した。
第55回全国トラックドライバーコンテストのハイライト
2日間にわたって行なわれる競技内容は、
1.学科競技(配点400点)
法規(道路交通法)、構造機能(車両)、運転常識(プロドライバーとしての一般的認識事項等)
2.実科競技(配点600点)
共通項目「運転操作及び法規履行、コース走行、運転態度、エコドライブ」
1日目:共通項目+課題走行(隘路、スラローム前進)+日常点検
2日目:共通項目+課題走行(スラローム後退、S字後退、車庫入れ)
なかでも難しいのが22日に行なわれた課題走行で、等間隔に置かれたパイロンの間をバックでジグザグに抜け、S字クランクから車庫入れを行なうというもの。
制限時間内に一連の走行を連続して行なうため、一度テンポが崩れると立て直しは困難。全国大会といえども、焦りからパイロンに接触(大きく減点される)してしまうこともある。
とはいえ部門入賞者ともなると、トラックの大きな車体を手足のように操り、車庫入れまでバッチリ決めるから圧巻だ。