いすゞの歴史にまた1ページ! 普通免許で運転できる新型ディーゼルトラック「エルフミオ」に乗った!

中量車燃費基準を唯一クリア

1.9リッターとは思えない力強い走り、運転操作がラクなオートマ、ソフトにしてしたたかな乗り心地、素直なハンドリングなど、トラック初心者でも親しめそうな仕上がりだった
1.9リッターとは思えない力強い走り、運転操作がラクなオートマ、ソフトにしてしたたかな乗り心地、素直なハンドリングなど、トラック初心者でも親しめそうな仕上がりだった

 エルフミオの制動装置は、フットペダルで操作するサービスブレーキ(車型によって4輪ディスクあるいは前輪ディスク・後輪ドラムとなる)のみで、トラックの補助ブレーキでおなじみの排気ブレーキはありません。

 そのかわり、ATのフロアレバーをDレンジ右のマニュアルモードに入れ、低位段を手動選択していく減速チェンジを行なえば、効果的にエンジンブレーキを発生させることができます。もちろんこの減速チェンジは、状況に応じてフットブレーキと組み合わせながら操作すべきものですが、有効な減速手段にして使い勝手もよいものでした。付け加えると、フロアレバーは左手を自然に降ろしたところにあり、シフト操作時のレバーストローク感も絶妙という、優れたインターフェース設計になっていると思います。

 トラックの乗り心地は、積載量によって変わるものですが、空積差が1トンほどであれば、あらかじめサスペンション、特にリアサスを硬めに設定する必要がないというメリットがあります。試乗コースが整った良路ということもありますが、エルフミオは半積載でも、後車軸が跳ねるような挙動をあまり感じません。

 前後異径タイヤ(前185/75R15・後145/80R13)のフラットロー(超低床)、前後同径タイヤ(185/75R15・リアは複輪)のフルフラットロー(全低床)それぞれに試乗、これらはサスチューンと最終減速比は異なっているのですが、試乗コースに限ればどちらも似たような走りで、乗り心地そのものは、強かにしてソフトというエルフの味を受け継いでいました。このあたりは、メーカーのトラックづくりのポリシーを感じるところです。

 燃費は国交省審査値でリッター13.5~13.6km(JC08モード)と、このクラスで2022年度中量車燃費基準を唯一達成しています。GVW1.7トン超~GVW3.5トン未満のトラックは燃費基準の達成自体が難しいのですが、さすがディーゼル車といえるでしょう。なお、これから燃費測定の標準となっていく国際調和基準WLTCモードでは、リッター10.8~11.1kmという数値になります。

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