突然だが、仮にいま手元に300万円あって「よし新車を買おう!」と探しに行ったらどのようなクルマが買えるのだろうか?今回は同じ価格で買えるクルマのいまと昔に迫ってみたいと思う
かつては「300万円のクルマ」といえば、各社の ハイソカーやスポーツカー含め大半のクルマが選択可能だった。買えるクルマの数だけ夢もあった
バブル期真っ最中の1989年に追加されたシビック3ドアSiR。今では普通の安全デバイスがほぼ皆無だったとはいえ、150万円台で購入できたのは驚異的である
2021年8月発売の現行シビック(11代目)。30年前にはアコードクラスのボディに180psの1.5Lターボ、数々の安全デバイスを標準装備の結果、ベーシックグレードでも319万円。もはや高級車??
トヨタ最終型マークII。2.5Lストレート6エンジンを搭載した走りのモデルが300万円で購入可能だった。今回紹介するモデルがほぼ「素」状態と考えると感覚的なギャップは大きいと感じてしまう
さてここからは「300万円でいま買えるクルマ」だ。まずは「ハリアーS」FFの2L車で価格は299万円。17インチのホイールは質素だが、LEDヘッドライトや安全装備は標準装備。見た目の派手さよりも実を取る考え方もありかもしれない
「ハイエースワゴン DX」全幅1880㎜のワイド仕様を活かした広々とした室内が魅力。その分街中の取り回し性はライバルのキャラバンに劣る。トヨタセイフティセンスも標準装備で安全性も万全だ。価格は287.5万円だ
「キャラバンワゴン DX]」。小型車枠で10人乗りを実現しているところが凄い。装備的にはハイエース同様、割り切った感はあるが多人数の移送手段としては大いに「あり」ではないか?価格は278.45万円
「GR86 RC」もともとカスタマイズやレース用車両のベースとして設定されいるため、無塗装パーツに鉄チンホイールと「素」もいいところだ。これぞ真のピュアスポーツ? 価格は278万円となる
RCグレードの室内。オートエアコンやパワーウィンドウ、本革巻きステアリングも標準装備しており、純粋に走りやカスタマイズを楽しむベース車としてうってつけだ
「ノートオーラNISMO」この過激なエクステリアデザインのe-POWER車も「素」であれば300万円を切る価格だ。ただ日産のもうひとつの推しであるプロパイロットを装着すると一気に350万円クラスとなる
世界初の(ほぼ)自然着火式ガソリンエンジンを搭載したCX-30に、装備を厳選することで300万円を切るモデルが追加された。これでSKYACTIV-Xエンジンの敷居は大幅に低くなったかもしれない
革新的なSPCCI方式を採用したSKYACTIVE-Xエンジン。構造の特殊さから価格アップは避けられず、販売は各車種の10%程度と苦戦中。また電動化の波に押されたのか、カタログには「ハイブリッド」車であるとの表記が。そもそも内燃機関であることがこのエンジンの「推し」ではないのか? マツダの迷いを感じる
2.5Lエンジン、8人乗りモデルでほぼ300万円のお買い得モデルが存在するCX-8。用途が異なるとはいえ上のハイエースやキャラバンと比べて質感は歴然で、大変魅力的なモデルだ