昨年末、三菱のミドルSUV、アウトランダーがフルモデルチェンジした。日本仕様にはプラグインハイブリッド仕様のみで勝負をかけてきた。迎え撃つはトヨタRAV4 PHV。この2車を徹底比較し、本命はどっちかを判定してみたい!!
昨年登場した新型アウトランダー。デザインは三菱共通のダイナミックシールド顔を取り入れ、アクは強いがひと目で三菱車だとわかるもの
_2019年に標準モデルが登場し、2020年6月に追加されたPHVモデル。外観の差異はグリルやバンパーの程度とほとんどない。ハイブリッドシステムはPHV用に高出力化され306psを発揮する
アウトランダーのインパネ。わかりにくいがメーターパネルもフル液晶化されている。欧州のライバルモデルに比べると物理スイッチはそこそこあるが、かなり攻めた仕上がりとなっている
RAV4 PHVのインパネ。基本は標準モデルと変わらない。デジタル化の進んだアウトランダーと比較すると、どうしても1世代前の趣を感じてしまう
RAV4よりも大きな電池を搭載しながら7人乗りを実現した新型アウトランダーの室内。三菱の技術陣のこだわりが詰まったシートレイアウトだ
こちらはベーシックに5人乗りのみの設定となるRAV4 PHV。グローバルモデルらしいゆったりとくつろげる空間が用意されている
7人乗りでも3列目を畳むとフラットなラッゲージスペースとなる。いつもは2列、たまに3列といった使い方ができるのもアウトランダーの魅力だ
対するRAV4 PHVも充分なラゲッジスペースを備える。ただし、大型電池をつむため、ラゲッジアンダートレイは装備されない。それを考えるとアウトランダーの凄さがより理解できる
アウトランダーのパワートレーンは2.4Lエンジン(98kw)+前後モーター(前85kw+後100kw)
の組み合わせ。バッテリーは20kWhへ大型化され、EV走行は99km可能だ!!
の組み合わせ。バッテリーは20kWhへ大型化され、EV走行は99km可能だ!!
見た目に差異がないRAV4PHVだが、中身は……実は電池以外はHVと変わらないのだ。しかし、この電池(18.1kWh)のおかげで出力は約1.4倍(225ps→306ps)にアップしている
アウトランダーの燃費はトヨタの一世代前の同クラスのHVと同等の燃費となる。しかし2トンをゆうに超える重量級のSUVが叩き出す燃費としては素晴らしい
HV仕様との比較となってしまうが、306psの高出力を誇りながらEV走行も可能なPHVのメリットが最大限に発揮された結果と言えるだろう。22.2㎞/Lの燃費は驚異的である
アウトランダーには三菱自慢のS-AWCが進化して搭載! さまざまなドライブモードで悪路でも雪上でも積極的に走りを楽しみたくなる
RAV4にもドライブモードが備わる。こちらは高出力のフロントモーターでぐいぐい引っ張るタイプの制御だ
日産と三菱のアライアンスがあるからこそ、両社共通の装備も可能だ。日産のプロパイロットが三菱ではマイパイロットと名を変えて装備。事実上のワンペダル運転も可能だ
アウトランダーはオーディオシステムにもこだわる。音響機器の名門BOSEのプレミアムサウンドシステムを装備している。三菱と言えば以前はDIATONEというプレミアムブランドもあったが……
PHVの大容量バッテリーを活かした使い方といえば外部給電機能だろう。アウトドアを楽しむにしてもいっさい我慢をしなくてすみそうなくらいの容量を持っているため、重宝するだろう
三菱渾身の作アウトランダーは今、三菱が持つすべての技術を投入して生まれたクルマだ。日産とのアライアンスもうまく取り入れている。これからのPHVを牽引していく存在になるだろう
方やRAV4も電動化著しい欧州での販売を念頭において開発されたクルマだ。アウトランダーまでの気合は感じないが、随所にPHVのこれからを示すベンチマークになりそうだ