ほとんどの乗用車で使われているディスクブレーキ。ホイールと一緒に回転するディスクローターを両側から摩擦材のブレーキパッドで挟む構造(PHOTO:写真AC_たけたまご)
クルマを減速、停止させるための摩擦によって削られた粉塵(ダスト)がホイールに付着したものがブレーキダスト(PHOTO:写真AC_ぽりんクス)
ブレーキダストが、黒く、汚れが落ちづらい理由は、ブレーキダストがローターの摩耗によって飛散する微細な鉄粉だから。鉄粉は重く尖っているので、ホイールに付着しやすく、さらに突き刺さるため、除去するのは大変(PHOTO:写真AC_エルボンズ)
ブレーキパッドのスチール繊維含有量が多いほど、ブレーキダストは多くなるが、日本車は欧米に比べてそれほど高いブレーキ力が要求されないため、ノンスチールの樹脂系パッドを使用している。そのためブレーキダストの発生は少量で、比較的簡単に落とせる(PHOTO:写真AC_miyashun_xperia)
BMW M3 Touringのホイール。BMWは、伝統的にスチール繊維含有量の多いロースチール樹脂パッドを使用し、ブレーキダストが付着しやすいことで知られている
電動車では、モーター/発電機の回転抵抗をブレーキ力として利用する減速回生ブレーキを使うので、ブレーキダストは減少する(PHOTO:写真AC_SATOSHINPI)
現実的な対策としては、こまめな洗浄や、コーティング、ブレーキパッドの交換。ただ、パッドの交換は、ブレーキ力が低下しやすいので、安全のため専門家に相談してからするようにしてほしい(PHOTO:写真AC_おいものにもの)
2022年11月、欧州委員会が2025年施行予定の「ユーロ7」規制案を発表。新たにタイヤとブレーキから放出される粉塵規制が提案され、話題に。ブレーキシステムや材料など、抜本的な見直しが必要となるため、ホイールの汚れに悩まされることも減っていくかもしれない(PHOTO:AdobeStock_BillionPhotos.com)