ランクルFJかジムニーノマドか? どこが違う? ランクルFJの価格は400万円切り!? 250&ノマドオーナーが分析!!!

オーナーだから物申したい両車の気になるポイント

 ジムニーノマドに関しても同様だ。街中はもちろん、高速道路を走っていても、やはりラダーフレーム車ということをはっきり感じる。乗り心地が硬いわけではないが、モノコックのような路面からのショックをいなす、しなやかな感覚がない。角が立っており、荒々しいのだ。むしろ、そこがいいんだけれど……。

 ジムニーノマドのあまり気に入っていないポイントは取り回し性能。最小回転半径は、ジムニーシエラの4.9mに対し、5.7mと細い脇道の交差点を曲がる際には気を使う。しかもハンドルは少し重いからなおさらだ。

 これは悪路走破性を最優先した前後リジッドアクスルという構造を採用したことと、ステアリング機構が主流のランク&ピニオン式ではなく、リサーキュレーティングボール式を採用したことによる。

 リサーキュレーティング式は構造が頑強で悪路からのキックバックに強いというメリットがあるものの、構造的に大きな切れ角が取りにくく、操作フィールがややダイレクト感にかけるという特徴を持っている。つまり悪路走破性に徹したということだ。

 逆にランクル250は全長4925mm、全幅1980mmと巨体ながら、カクカクボディのおかげで見切りはいいし、狭い路地に入る際には最小回転半径6mにもかかわらず、モニターのカメラ映像を見ながら切り返しができるので不満は感じない。

 その点、ランクルFJは全長4575mm、全幅1855mmというミドルサイズだし、250譲りの見切りのいいボンネット、最小回転半径が5.5mということもあり、取り回し性能はそこそこいいのではないだろうか。

ランクルFJに搭載される2.7Lガソリンエンジンはランクル250に搭載されているものと同じもの
ランクルFJに搭載される2.7Lガソリンエンジンはランクル250に搭載されているものと同じもの

 2.7Lガソリンエンジン(163ps/25.1kgm)については、250VXの車重2240㎏と重量級ボディには、アクセルを全開にしても加速は鈍く、非力なのは間違いないが、筆者はそんなに不満を感じていない(こんなもんだろう)。

 ランクルFJに搭載されるのは、ランクル250と同じ2.7Lガソリンエンジンのみ(163ps/25.1kgm)。これに250に比べ約200㎏軽いボディ(2040㎏)を載せるため、普通に走ってくれるのではないかと希望的観測をしておこう。ただ、燃費に関しては、250VXガソリンの実燃費は6.3km/Lだから、ランクルFJの実燃費が心配ではある。

 ジムニーノマドは102ps/13.3kgmを発生する1.5L、直4。4AT車だが、4人乗車の坂道では非力さを感じるが、そもそも速く走るクルマでもないため、取り回し性能以外は不満なし。

ランクルFJとジムニーノマドの販売方法、納期はどうなる?

250と同様、角ライトと丸ライトが用意される
250と同様、角ライトと丸ライトが用意される

 この両車、超人気車だけに予約受注が殺到し、争奪戦になることが予想される。10月21日に世界初公開されたランクルFJは、発売は2026年央というのに、「今から予約受注ができますか?」という問い合わせがディーラーに多数寄せられたという。

 最新のトヨタ車は、発売日前に予約受注を開始し、発売日には受注停止になってしまうことがあったため、アルファード&ヴェルファイア、ランクル250では発売日当日から受注を開始していた。

 おそらくランクルFJも発売日に受注がスタートすると予想されるが、おそらく数カ月前から、先行受注が始まり、先着順による販売や抽選販売が行われることになるだろう。

 さすがに、下取り車/残クレ/ボディコーティング/メンテパックなど利用する項目が多い順に販売する「抱き合わせ販売」は行われないとみるが、ランクルFJはランクル250以上の人気になるのは確実だから、今のうちからディーラーマンに購入の意思を伝えつつ、発売3ヵ月ほど前くらいからさらに密に連絡をとることをお薦めしたい。

 ちなみに2024年のランクル250販売時は、首都圏のディーラーでは抱き合わせ販売の先着順、抽選販売を行っていたことを筆者は確認している。その後、2025年4月には、公正取引委員会が独占禁止法第19条規定(不公正な取引方法第10項(抱き合わせ販売等))に違反するおそれがあることから、抱き合わせ販売を行わないよう、モビリティ東京に警告している。

 公正取引委員会は、トヨタ自動車に対しては、トヨタ車等を販売する全国の販売店に“要請”し、自販連に対しては、会員である全国の自動車販売業者等にそれぞれ周知するよう“要請”した。

 さて、ランクルFJの納期はどのくらいになるのだろうか? タイ生産(月産台数は未発表)となるため、250のように生産台数(初期ロットの月産目標台数は2250台、現在は約4000台)が多くならないと予想されるため、約1000台という生産台数が少ないランクル300のように、納期が最長4~5年に延びてしまうことも考えられる。

ジムニーノマドの月産台数は2025年7月以降、3300台に増産
ジムニーノマドの月産台数は2025年7月以降、3300台に増産

 一方、2024年2月に5万台を受注し、発売日からわずか4日間で受注を停止していたジムニーノマドは約1年ぶりとなる2026年1月30日から受注が再開予定。

 スズキディーラーでは2025年1月30日発売前に、ジムニーシエラの予約をしていた顧客に対し、ジムニーノマドに切り替えるかどうか確認し、切り替えた顧客には優先的に納期が早くなるようにしたり、ジムニーノマドを受注内容について厳格な精査を行い、転売目的と疑われる顧客約5000台分の注文のキャンセル要請をしたこともあった。

 ジムニーノマドはインド・グルガオン工場での生産を月産1200台としていたものの、7月には月産3300台に増産。輸入台数は4月2524台、5月1779台、6月2787台、7月1622台、8月72台、9月3999台(JAIA調べ)と、7月末~8月末の出荷停止期間があったものの、9月以降は回復している。

 しかし受注5万台に対して、2025年9月までの累計納車台数は1万2783台とまだ26%しか納車できておらず、残りの受注台数は3万7217台も残っている。

 受注が再開する2026年1月30日までの期間、10月、11月、12月、1月の4カ月×3300台=1万3200台だから、2026年2月以降の初期受注の残り2万4017台は、7カ月後の2026年9月までに納車されることになる。これはあくまでも仮定の話だが、受注再開後にオーダーした場合、最短で納車は2026年9月以降か。

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