■操るのはフェラーリに敵意を抱く男
作中では、大石代吾の愛機としてMFG第1戦から登場しており、カーナンバーは「3」。つまり前年のランキングで3位を獲得した上位ランカーだとわかる。大石のウラカンは「LP610-4(改)」となっており、これはウラカンデビュー時のファーストグレードで、610馬力の4WDという意味の名称だ。
ミドシップ搭載される5.2L V型10気筒自然吸気エンジンは、その後、年代ごとにバージョンアップされており、作中でも第1戦終了後に大石が、改良版となる「(LP640-4)ペルフォルマンテ」を欲しがっているシーンが見られる。
なお、現在、実際に販売されているウラカンのベースグレード、「ウラカンEVO」は640馬力。また、4WD仕様だけでなく、2WDの「ウラカンEVO RWD」や、オープンモデルの「ウラカンEVOスパイダー」、サーキット仕様の「ウラカンSTO」など、ラインナップがかなり充実しているほか、これまでにいくつかの限定車が販売され、どのモデルも好評を博してきた。
搭乗者の大石という25歳のドライバーについては、まだ作中でそれほど詳しく触れられていないが、どうやら相当なランボルギーニファンのようだ。バトル中にも「キング・オブ・ザ・スーパーカーと言えるのは、今やランボ様だけだろ」などと(心中で)発言しており、同じくMFGに参戦しているフェラーリ乗りの赤羽海人に対して、ギラギラした敵対心を抱いているのがわかる。
■マシンの真価を発揮できる舞台に期待
そもそもランボルギーニというブランドは、創業者であるフェルッチオ・ランボルギーニによるフェラーリへのオマージュから誕生したと言われている。
フェルッチオはトラクターなど工業機械メーカーを経営していたが、自身が購入したフェラーリに対して不満を持ち、より完璧なGTスポーツカーを自ら作り出そうと一念発起、自動車メーカーのランボルギーニを立ち上げたのだ。そういう意味でも、ランボルギーニとフェラーリとは、同じイタリアの高級スーパーカーメーカーでありながら、表裏一体の関係にあると言える。
大石は、このMFG第1戦で予選8番手からスタートするが、すぐに10位から追い上げてきた赤羽のフェラーリ488とのバトルが勃発。激しいつばぜり合いの末、小田原パイクスピーク名物「カマボコストレート」でスリップストリームを使われて追い抜かれてしまう。最終的には7位フィニッシュと、予選より上位でゴールして意地を見せたが、フェラーリとの因縁は次節以降も続くこととなる。
ちなみに同第1戦の予選走行時に、大石はこう漏らしている。「ワンサイズアップグレードのタイヤさえあれば…」と。つまり、MFGのレギュレーション「グリップウェイトレシオの均一化」のせいで、ウラカンはマシン性能に見合わない細いタイヤが履かせられており、それが足かせとなって、せっかくの600馬力以上のモンスターパワーが使いきれていないのだ。
今後、ウラカンの真価を発揮できるコースの登場と、そこでの勇姿と大活躍が期待される。多くの世代に存在するであろう、ランボルギーニファンのためにも。
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