自動車保険は、クルマの損傷を修理する際、保険を利用するかどうかの判断に大きな影響を与える要素の一つです。等級制度を正しく理解し、保険を上手に活用することは、節約にも繋がります。少々、小難しさもある自動車保険。その核となる等級制度から理解を深めれば、あなたも自動車保険マスターになれるかも。
文:佐々木 亘/写真:Adobe Stock(メイン画像=weyo)
【画像ギャラリー】等級が下がらない事故って何? これだけ知っておけばあなたも自動車保険マスターに!(3枚)画像ギャラリー■まずは基本!等級制度の仕組みを理解しよう
自動車保険の等級は、1等級から20等級に設定されています。新規契約は6等級から始まり、保険を1年間使用せず満期を迎えると1等級上がるのが基本の動きです。
また、等級によって保険料の割引・割増が決まっていて、5等級以上を割引等級、4等級以下を割増等級と呼ぶことも。最大の20等級だと保険料が63%割引ですが、最低の1等級になると108%割増されるのです。
事故を起こし、保険金の申請をすると、等級は下がります。通常は1事故で3等級ダウンです。ただし、盗難・落書き・飛び石・台風による損害等で車両保険を使った場合は、1等級ダウンとなります。
ただし事故の中には、等級ダウンを起こさないノーカウント事故というものもあるのです。人身傷害保険・搭乗者傷害保険の使用、ファミリーバイク特約・弁護士特約・個人賠償特約の使用などがこれにあたります。
まずは等級の上がり下がりが起きるということと、その理由を覚えておくことで、自動車保険への理解はかなり高まったと言えるでしょう。
【画像ギャラリー】等級が下がらない事故って何? これだけ知っておけばあなたも自動車保険マスターに!(3枚)画像ギャラリー■保険を使うかどうかの判断を的確にするべし!
自動車事故が発生した際は、事故による損害額の大小はもちろんですが、保険を使う(保険金を申請する)ことでの今後の保険料への影響も考慮しなければなりません。
まず、保険を使用することで等級が3つ下がる「3等級ダウン」と「事故あり係数」の影響を把握しましょう。保険を使うと翌年の契約から等級が下がり、保険料が上がります。また一定期間、同等級でも低い割引率になる「事故あり係数適用期間」というものが適用されることも覚えておいてください。これは最短で1年、最長3年で、累積6年まで増えるものです。
修理費用が少額の場合、保険を使うことによる保険料の増加が、修理費用を上回るケースもあるため、慎重な判断が必要になります。基本的には、向こう3年間の保険料上昇額と修理費用を見比べ、保険料上昇額が修理費用を上回る場合、保険金の申請は行わないほうがいいでしょう。
【画像ギャラリー】等級が下がらない事故って何? これだけ知っておけばあなたも自動車保険マスターに!(3枚)画像ギャラリー■自動車保険の裏ワザを大公開!
複雑な等級制度ですが、それ故に、あまり知られていない裏ワザも存在します。
まず、契約年数を複数年にする長期契約保険を使った裏ワザです。長期保険では「事故あり係数適用期間」を短縮することが可能になります。
単年契約の場合、翌年から3年間適用される事故あり係数ですが、長期保険の場合は、次回契約更新時から2年間の適用となります。また、長期契約保険ではその等級が下がり保険料に反映されるのが、次回更新時(契約満了時)になるため、タイミングによっては事故の翌年に保険料が上がる事態を回避することも可能です。
また、自身の保険等級が11以上の人は、2台目のクルマを保有する際に、保険等級が新規の6ではなく7からスタートする「セカンドカー割引」というものが使えます。1台目と2台目のクルマにかけてある自動車保険の契約会社が異なっていても使える割引です。
さらに、割引率が大きい団体保険を、勤務先で取り扱っているかもしれません。自動車保険の割引やお得な情報は、隠れていることも多いです。探してみると、自身の保険料をもっと安くできる方法が、眠っているかもしれません。
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