レクサスのSUVシリーズのフラッグシップである「LX」が一部改良。といっても2022年に発売されてすぐに受注停止となってしまったので、「おーっ、久しぶり」という感も否めないが、春先と噂される国内発売に先駆けて、北米仕様をアメリカ・カリフォルニア州北部(ノースコースト)で試乗してきた!
文:山本シンヤ/写真:LEXUS
待望のハイブリッドLX700hに新グレード「オーバートレイル」も!
今回の改良のポイントは大きく2つだ。1つはLX初となるハイブリッドモデル「LX700h」の追加、そしてもう1つが新グレード「オーバートレイル」の追加である。そこで今回の試乗はLX700hオーバートレイルを中心に紹介していきたい。
まずオーバートレイルについておさらい。レクサスが現在推進する「オーバートレイルプロジェクト(大自然と共生しながらアウトドアライフスタイルを彩るクルマの楽しさと、様々な体験を提供)」を体現したモノで、NXとGXに続く第3弾となる。グローバルでは新規設定となるが、我々日本人的には従来モデルに設定されていた日本向け専用グレード「オフロード」の進化版である。
エクステリアはヒカリモノを抑えたスピンドルグリルや加飾、さらに専用の18インチタイヤ&アルミホイールを採用。ボディーカラーは全6色用意するが、お勧めはオーバートレイル専用色となるソリッドのようなメタリック「ムーンデザート」だろう。
インテリアはシートのメイン表皮とドアトリムに低サイドのモノリスを採用した「オーバートレイルモノリス」を設定、こちらもヒカリモノを抑えた加飾の組み合わせだ。細かい部分では、12.3インチフル液晶メーターやエレクトロシフトマチック(LX700hのみ)、フロント席リフレッシュシート、置くだけ充電の進化なども行なわれている。
このようにオーバートレイルは内外装共に「プレミアムなツール感」という独自の世界観を構築する。要するに、ラグジュアリーでもスポーツでもない第3のレクサスと言っていい存在である。
【画像ギャラリー】Fスポーツの赤内装は必見! あらゆる角度からLX700hを撮りまくったから見て!!(198枚)画像ギャラリーモーターというよりターボラグがまったくないターボ?
注目のハイブリッドシステムはトヨタ・レクサスでおなじみのシリーズパラレル式(=THSⅡ)ではなく、V6-3.5L直噴ツインターボと10速ATの間にクラッチとモータージェネレーターを配置したパラレル式ハイブリットを採用。内燃車と同じ10速AT+LOレンジ付のフルタイム4WDシステムを使うため、これにより前進・後退共に同じ駆動力が担保されている。
加えてシステムがダウンしたとしても、エンジンのみで退避走行を可能にするためにオルタネーターとスターターを装着。さらにサードシート下に搭載される駆動用バッテリー防水トレイによる入念なパッキングが行なわれている(内燃車と同じ渡河性能700㎜を確保)。まさに「生きて帰ってこれるクルマ」にふさわしいハイブリッドなのだ。
走らせた印象を一言でいうと、電動車というより「良くできた内燃機関」に近い。もちろん定常走行時やアクセルOFF時にEV走行はするが、モーターアシストというよりも「ターボラグが全くないターボ」もしくは「ツインチャージャー」のようなイメージで、全域で滑らかなフィーリングなのだ(モーターとターボの連携がとても上手)。
ちなみに走行環境の違いから北米仕様と日本はモーターアシストの味付けが異なり、日本仕様はもう少し電動車感が高めだそうだ。
【画像ギャラリー】Fスポーツの赤内装は必見! あらゆる角度からLX700hを撮りまくったから見て!!(198枚)画像ギャラリー
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