自然吸気5リッターV8を操る贅沢!! レクサスの旗艦クーペ「LC」がたどり着いた8年目の到達点!!!

自然吸気5リッターV8を操る贅沢!! レクサスの旗艦クーペ「LC」がたどり着いた8年目の到達点!!!

 デビューから8年を迎えたレクサスのフラッグシップクーペ「LC」がマイナーチェンジを実施した。トピックは専用装備を満載する特別仕様車「PINNACLE(ピナクル)」の設定だが、モデル全体を通じて走りの底上げが図られ、ラグジュアリークーペとして円熟味を極めたようにも思える。その出来栄えを確かめるべく、下山テストコースでいち早くステアリングを握ってみた!

文:山本シンヤ/写真:レクサス

【画像ギャラリー】LC500ピナクルの超ゴージャスなインテリアを見て!!(84枚)画像ギャラリー

ドアストライカーの肉厚変更という玄人好みの改良!

左がLC500 PINNACLE、右がLC500コンバーチブルPINNACLE。中央に立つのはチーフエンジニアを務めた武藤康史氏
左がLC500 PINNACLE、右がLC500コンバーチブルPINNACLE。中央に立つのはチーフエンジニアを務めた武藤康史氏

 2017年に登場したレクサスフラッグシップクーペ「LC」。その陣頭指揮を取っていたのは、現社長・佐藤恒治氏。北米メディアから「レクサスはつまらない」と言われた悔しさをバネに、従来の枠に留まらない数多くのチャレンジが行なわれたモデルだが、その後のレクサスに大きく影響を与えた存在だ。

 そんなLCは発売後も「もっといいクルマ」にすべく進化・熟成が行なわれてきたが、今回2025年の改良に合わせてLC500/LC500コンバーチブルの特別仕様車「PINNACLE(ピナクル)」を設定。発売に合わせてトヨタテクニカルセンター下山で試乗してきた。

 まずPINNACLEの前に、LC全体の改良について紹介。今回はドアストライカー(※ドアのラッチと噛み合ってドアを固定する部品:編集部注)の構造変更(肉厚4→5mm)が行なわれている。これはドアとボディの間の部分(ドアストライカー部分)の隙間を減らし、車体のたわみを抑えることで走行性能を高める効果がある。実はアフターでは「ドアスタビライザー」が発売中だが、純正装着の最適解だそうだ。

 今回は従来モデルで新旧ドアストライカーの違いを体感。小さな変更だが走りへの効果は抜群。ステア系の座りの良さ、車線変更時の応答/収まりの良さ、直進安定性の高さなど、クルマ全体が薄皮1-2枚剥がされたかのようなシャッキリとした印象に。その一方で乗り心地はソリッドな感覚が強くなってしまったが、改良モデルはそれに合わせてサスペンションを最適化しているのでご安心を。

2通りの専用コーディネイトをまとったPINNACLE

LC500 PINNACLE。期間を絞ってわずか100台が抽選販売される
LC500 PINNACLE。期間を絞ってわずか100台が抽選販売される

 PINNACLEも同様の改良が行なわれているが、それ以上にスペシャルなアイテムが満載だ。

 見た目の部分は、専用鍛造アルミホイール(ブラックスパッタリング塗装)やブラックパーツとヒカリモノを抑えてよりクールな印象。注目は専用のボディカラー&インテリアコーディネイトで、クーペは朧銀(ろうぎん)と呼ばれるスモークマッドグレーにブラック/ホワイトのインテリアカラー、コンバーチブルはニュートリノグレーのボディカラーにサドルタン/ホワイトのインテリアカラーの組み合わせだ。

 ちなみにインパネには専用グラデーション刺繍、シフト前には専用プレート、ドア下には専用スカッフプレートと特別感もシッカリ付加している。チーフエンジニアの武藤康史氏は「この組み合わせがベスト、逆の組み合わせは考えなかった」と2つのコーディネイトに自信を見せる。

 さらに一体成型フロントバンパーと固定式リアウイング(クーペとカブリオレで若干形状が異なる)が装着されるが、実はカブリオレには初装着(ソフトトップ開閉の関係で前後方向の長さが異なる)となる。これらの空力アイテムは、ダウンフォースより車両側面の空気の流れの制御が目的となっている。

次ページは : クルマが「より小さく」、「より軽く」感じる

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