韓国の自動車メーカー「Kia(キア)」が発表した次世代モビリティ「PV5」が、2026年に日本市場へ登場する。物流も送迎もキャンプも1台でこなす“フレキシブル・ボディ・システム”と、驚異の低床BEVプラットフォームが融合。世界初のPBV専用モデルとして、ビジネスとレジャーの境界を超えるクルマがいよいよやってくる。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Kia
日本にもやってくる! 世界が注目する「PBV」第1号車
Kiaが掲げる「PBV(Platform Beyond Vehicle)」は、クルマを単なる移動手段ではなく“使い方を変えるプラットフォーム”として再定義するプロジェクト。その第1号となる「PV5」は、韓国と欧州での展開を皮切りに、2026年、日本市場にも正式上陸する予定だ。
2025年9月29日〜10月2日には、ソウル本社と京畿道ファソンのEVO Plant(生産拠点)、ブランド体験館「Kia360」、ナムヤン研究所などを舞台に、日本を含む世界各国の報道陣・パートナー企業を招いたグローバル試乗・技術イベントが開催された。
このイベントでは、Kiaの未来型モビリティ戦略や最新EV技術が公開され、PV5の実車が世界メディアに初めて披露された。Kiaは「モビリティを再定義するための第一歩」と位置付け、持続可能で顧客中心のモビリティ社会の実現を宣言している。
自由に組み替えられる「フレキシブル・ボディ・システム」
PV5の最大の武器は、モジュール式の「Flexible Body System(フレキシブル・ボディ・システム)」。フロントキャブを共通化し、リア・ルーフ・クォーターガラスなどを“レゴのように”組み替えることで、カーゴ、パッセンジャー、ハイルーフ、WAV(車椅子対応車)など最大16タイプの派生モデルに展開できる。
Uberをはじめ、世界各地の事業者との協業で得た実運用データを反映。室内は汚れに強く、前席を取り外して荷室を拡張できるなど、“使われるための道具”として設計されている。
さらに、低床化も徹底。スライドドアのステップ高はわずか399mm、テールゲート側も419mmと、足腰の弱い方でも乗り降りしやすい。ハイルーフ仕様ではキャビンと荷室をウォークスルーでき、日常配送からレジャー利用まで柔軟に対応する。
従来の物流車両とはまったく違う「新しい顔」
デザイン面でも、PV5はこれまでの商用バンとは一線を画す。Kiaのデザイン哲学「Opposites United(相反するものの融合)」を体現し、滑らかな上部と堅牢な下部が共存する近未来的なフォルムを採用。ヘッドライトはバンパー内に埋め込まれ、衝突時の損傷リスクを最小化した。
ブラックのクラッディングやモジュール式バンパーは耐久性と修理性を高め、“働く道具”としての機能性と“持ちたくなる美しさ”を両立。低いスカットル(インパネの上部やフロントガラスとの境界周辺)とベルトラインにより前方視界も広く、都市環境でも安心して取り回せる。
インテリアは幾何学的なレイアウトで、水平と垂直のラインを基調としたシンプルデザイン。デジタルメーター(7インチ)と12.9インチのナビスクリーンが一体化し、運転席周りは機能的で直感的な操作感を実現している。






















コメント
コメントの使い方