SUBARUが2025年11月13日に特別仕様車「BRZ STI Sport TYPE RA」が発表された。スーパー耐久で培ったノウハウを注ぎ込み、レース車両直系のパフォーマンスを持つSTIコンプリートカーとして登場した。新採用の“フラットシフト”をはじめ、STIが挑んだ「公道で味わうレースフィール」の真価を探る。
文:ベストカーWeb編集部/写真:SUBARU
STIの情熱が生んだ「TYPE RA」──“記録への挑戦”の名にふさわしい完成度
TYPE RA(Record Attempt)は、かつてはインプレッサWRXにも設定されていた、SUBARUが長年追い続ける「走る愉しさ」の象徴的モデルだ。STI(スバルテクニカインターナショナル)がレース現場で培った知見を、市販車に凝縮して具現化したコンプリートカーである。
今回のベースはFRピュアスポーツの「BRZ」。しかしTYPE RAは、単なる限定仕様ではない。
スーパー耐久シリーズで実戦投入されている「Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」や、SUBARU BRZ GT300マシンから得た知見を反映。レース車両さながらのフィードバックと精密なチューニングを経て誕生した。
搭載される水平対向4気筒2.4Lエンジンは、ピストン、コンロッド、クランクシャフトをバランス取りしたバランスドエンジン。
重量公差を50%低減したピストン&コンロッド、回転バランス公差を80%低減したクランクシャフト、67%低減したフライホイール、50%低減したクラッチカバーを採用したことで、回転上昇のスムーズさとレスポンスが格段に向上している。
新採用「フラットシフト」がもたらす、途切れない加速
TYPE RAの大きなトピックのひとつが、新たに採用された「レブシンク」と「フラットシフト」だ。
これは、スーパー耐久マシンで用いられる技術を応用したもので、アクセルを踏んだままでもスムーズにシフトアップできるシステムだ。耐久性と信頼性を確保しつつ、乗りやすさと速さを高めることを目的としている。
フラットシフトは、ドライバーがアクセルを踏み続けたままクラッチ操作を行っても、ECUが次のギアに最適な回転数に合わせることで、トルク抜けを最小限に抑制。加速の途切れを感じさせないシームレスな加速を実現している。
つまり、従来の「アクセルを戻して→クラッチを切る→ギアを入れて→踏み直す」という一連の動作を、クルマ側が電子制御で最適化してくれるのだ。
そしてもうひとつが、レブシンク。これはシフトダウン時にエンジン回転数を合わせて自動ブリッピングをすることで、ヒール&トゥ操作が不要かつ、よりスムーズな減速を可能にするシステムだ。
ドライバーがクラッチを踏むと、ECUが瞬時に適切な回転数へ合わせ、ギアが滑らかにつながる。結果として減速時のショックが激減し、車体姿勢が乱れにくい。
これにより、街乗りでもサーキットでもシフト操作がより軽快になり、ドライバーは思い通りのギア選択と加速リズムを維持できる。まさに“手と足が一体化した感覚”が得られるのだ。















コメント
コメントの使い方専用装備の数と豪華さ、出力含め各部の専用チューンの内容全体を、他車種の限定車たちとしっかり比べて欲しいですね。
このBRZがどれだけ割安で価値があるか、見えてきます。
スバル内比でも、ブランドバッヂ代としてのSTiとは違う、本気で走りを追求したモデルなので、
売る相手選んで転売屋に流れないようにしてほしい。走るから本気で欲しいって人に勝って頂きたいです。